将来戦闘機の概要について。赤枠が20年後に実現、青枠が30~40年後に実現されるとみられる要素技術。このうち、F-2後継機の開発で考慮されるのが赤枠。
要素技術のうち、電子戦に強いフライ・バイ・ライトは、既にP-1哨戒機で世界で初めて実用化しており、将来戦闘機に積むものも実用レベルにある。ここでは赤枠の3点を紹介。
クラウド・シューティングは高速かつ秘匿性に優れたデータリンクにより、戦闘機間で情報共有を行うことで、レーダーを照射する機体とミサイルを発射する機体を別々にする事が出来る。
ステルス性については、武装の内装化とダクトを曲げる事でよりステルス性を高める。
従来の戦闘機では、自分でロックオンして自分が撃つのが基本だが、将来戦闘機は別の機体がロックオンしていれば、両機の中で最適な発射位置にある機がミサイルを発射する事が出来る。
質問をした所、この僚機間のデータリンクは、ミリ波通信が有力であるということ。別のセッションでレーザー通信の話があったが、将来戦闘機用のデータリンクでレーザー通信は技術的問題が多いという話。 また、赤外線や相手側レーダー波を利用したパッシブ測位も行う。
続いてウェポン内装技術の詳細。ウェポンベイを開く際に衝撃波が発生するが、その気流を解析する事で最適な形状・構造等を決める。
また、ウェポンの短時間かつ確実 な分離を行うための機構についても研究。
ステルスインテークダクトの研究。
従来の戦闘機は吸気口からエンジンに至るまでストレートなダクト形状だったが、電波の大きな反射源となっていてステルス化には不利。そのため、ダクトを曲げることでレーダー反射波を散乱させる事でステルス性を高める。
ストレート形状でないため、流れを制御する必要がある。インテーク付近、ダクト付近で気流の一部を外に出すなどの制御を行う。
軽量化構造の研究。ステルス機は重くなりがちなため、従来より複合材率を高め、複合材・金属の接合に用いるファスナを削減する事で軽量化を図る。
これらのキー技術について、平成30年前後までに研究し確立させる。F-2後継機が開発される事になる場合、平成30年度開発スタート、平成40年度に開発完了となる見通し。
クラウド・シューティングを実現する統合火器管制システムは、平成30年ごろに飛行試験を行う。飛行試験に用いる機材は、現用戦闘機に搭載する形で行うものとされる。
「出来たばかりの先進技術実証機(心神)はどう関連するの?」と質問したところ、心神の実測データをフィードバックする形になるという話。
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