2008年10月26日日曜日

動画紹介でお茶を濁しておこうの巻:チャレンジャー2編



 引越し準備で資料を段ボールに詰めてしまったので、今週は記事無しという苦しい言い訳。


 本日はニコニコに上がっている面白い動画のご紹介です。





【Top Gear】 車 vs 戦車 (字幕)



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 まあ、バラエティでネタですから脚色多し、ついでにイギリス人の嫌らしさもそこかしこに含まれている(5:50あたりのライフリング砲の説明には恐れ入った。だったらなんで滑腔砲換装計画があるんだよ)のですが、西側戦車の中では鈍重と言われているチャレンジャー2であっても、オフロード車とは比べ物にならない不整地踏破能力があることが良く分かります。タイヤとクローラの比較じゃ分かり切っていることですけど、映像で見せられると説得力が違いますね。


 あと、かなり早くから砲塔駆動を電気式を採用していたイギリスだけあってか、意外と砲が機敏に動いているあたりも興味深いです。


 日本でもやれたら面白いんですけどね。





2008年10月18日土曜日

TK-Xへと至る道:弾薬編



 今年の3月から5月にかけて、『検証TK-X』シリーズでTK-Xについての拙文(本当に拙いんだな、これが……)を連載しておりました。今回は『TK-Xへと至る道』と題しまして、TK-Xの開発が開始される平成13年(2001年)以前に行われていた、TK-Xへと繋がる研究について見ていきたいと思います。


 「幻のてき弾銃」において、装備開発に至るまでの研究段階は重要という、ごく当たり前の事実について触れました。特に様々な要素の結晶とも言える戦車については、かなり長い期間で基礎研究が行われており、TK-Xに関連する研究は80年代から、即ち90式戦車が装備化される前から広範な分野に渡って行われております。TK-Xが様々な新要素を持つ戦車であることは既に『検証TK-X』でも述べていますが、それらは突然現れたものではなく、90式戦車が登場する以前から積み重ねられたものなのです。


 「検証 TK-X(その1 火力・防護力)」において、74式戦車に採用されている93式105mmAPFSDS弾は、新戦車(当時は90式戦車)の次の将来戦車、即ちTK-X用弾薬の研究の波及効果によって開発されたものであると書きました。この研究は昭和60年(1985年)に防衛庁技術研究本部により計画され、同年10月にはダイキン工業よりAPFSDS弾についての研究計画が提出されています。昭和60年と言いますと、まだ90式戦車が装備化される5年前です。技術研究本部や防衛産業は20年以上先を見据えていたと言えるでしょう。


 この研究は昭和60年度と62年度に2社競合で射撃試験が行われ、特に62年度の試験ではダイキン工業による試作品が、当時の諸外国の最新型の公称性能に勝る結果を残します。“当時の諸外国の最新型”と言いますと、昭和62年当時は90式戦車でも採用されたDM33が該当します。研究は平成8年度まで行われており、この研究の成果がTK-Xの弾薬開発にも受け継がれていることはほぼ間違いなく、現在、TK-X用の試作徹甲弾はダイキン工業、中国火薬、三菱重工、旭化成ケミカルズによって開発・製造が行われています。


 ここで、TK-Xの弾薬に関連すると思われる各研究の時期について下記に図表化してみました。


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 平成9年から研究されている「装甲・対装甲技術」はハイブリッド弾芯ということで、TK-Xとは関連しない可能性が高いのですが、各発射薬研究は性能・安全性・低エロージョン性の向上が謳われており、単なる高威力化以外にも、被弾時の被害極小・砲身命数の延長等の効果が期待されます。





装甲編へ続く





2008年10月5日日曜日

平成20年度 海上自衛隊下総航空基地開設記念行事 & P-Xの低速度飛行について少々



 10月4日は海上自衛隊の下総航空基地開設記念行事に行ってまいりました。


 下総基地では『下総スカイフェスタ』というイベントが春頃開催されていて、2002年はEP-3とOP-3Cを除く海自P-3Cファミリーが勢ぞろいしたり、曲芸飛行(ブランエールだったかな?)があったりとと、かなり盛大なものだったと記憶していますが、近年は規模が小さくなり、スカイフェスタそのものは無くなってしまいました。基地開設記念行事という形で秋にイベントが開催されることになったものの、昨今の燃料価格高騰を受けて飛行展示は縮小されています。


 規模は小さくなったとは言うものの、見せ方の工夫が随所に見られ、イベントとして盛り立てる意欲が垣間見えました。


 たとえば、以下の動画。


 
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 ブルーインパルスジュニア以降、改造バイクのパフォーマンスはいろいろな所で見かけるようになったそうですが、今回の下総基地ではP-3Cによる模擬対潜戦闘での潜水艦役として登場しました。弾の一発も使いませんが、ビジュアル面で非常に判り易く、楽しめるものでした。この手の改造バイクは、隊員のポケットマネーで作成されていますので、イベント一つ一つにも隊員の隠れた苦労があるようです。





 また、P-3C操縦座学講習というイベントも行われておりまして、その中にXP-1についての説明もありました。ネット上では、P-3Cと比較してXP-1のジェット化による滞空時間減少と、対潜活動で重要な低速度での飛行について懸念が出ており、その解決策として「哨戒飛行中は2発停止して運用する」という説がかなり前からあります。


 私はこの説にかなり懐疑的なのですが(冗長性とか、そんな簡単に再始動できるのかという疑問から)、今回聞いたXP-1の説明では、技術的な方法で低速度での運用を可能としたエンジンだということが強調されており、2発運用についてはまるで語られていませんでした。こちらから2発運用はするのかとは質問しませんでしたが、少なくとも速度を落とすためにエンジンを2発停止することはないようです。


 この問題に関しては、週刊オブイェクトさんの石破茂はP-8哨戒機のグダグダ振りをどう認識しているのかのコメント欄で激論が交わされていますので、興味のある方はご一読をお勧めします。








おまけ


 以下、“隠れた苦労の一部”を写真でお届け。


中のバイク


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4人がかりでガワを持ち上げ。


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すっぽりと


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完成


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平成20年度 海上自衛隊下総航空基地開設記念行事



取り急ぎ、動画アップまで。


 
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