2013年2月17日日曜日

GoogleEarth版各都道府県鳥獣保護区図(ネット版ハンターマップ)の公開

追記:グーグルの仕様変更により、Google Mapアプリでも使えるようになりました。

はじめに


ご無沙汰しておりますdragonerです。
Twitterでの最近の私の発言を目にされている方はご存知かと思いますが、2011年にシカと道路で接触事故を起こして以来、野生鳥獣と人間との関わり、特に狩猟についてマイブームになっております。
だけど、狩猟免許が無いので、自由猟具、つまりはスリングショットを用いた狩猟を2012年末からやっているのですが、どうにも上手くいかない。でも、運の良いことに、SF作家の野尻抱介先生も自由猟具を用いた狩猟を始めていたので、Twitterでコツをお聞きした所、適切なアドバイスを頂きまして、無事にヒヨドリをゲット出来ました。


悲しいことに2012年度猟期中でゲットできたのは、このヒヨドリ1羽のみという情けない有様でしたが、実際に獲物を追い、計画を立て、様々な場所を巡ったりしたことで、近所にもこんな自然があったのかと再発見したりと非常に勉強になりました。


動機

本題の話をしましょう。さて、狩猟においては、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣法)の他にも様々な法的な規則が存在し、それを遵守した上で行わなければなりません。これは法定猟具・自由猟具を用いるか否かによらずに重要なことです。
中でも狩猟をする上で重要なものが、鳥獣保護区です。これらの位置は、各都道府県の「鳥獣保護区等位置図」(通称「ハンターマップ」)にて確認でき、各都道府県に狩猟者登録したハンターには送られてきますが、自由猟具ハンターは別途入手する必要があります。幸いなことに、私の活動領域である千葉・長野両県は、インターネット上でハンターマップを公開しており、入手の必要は無かったのですが(でも念の為にハンターマップ本体は取り寄せました)、これが少々問題がありました。というのも、両県共に高精細のPDFマップで配布していたため、iPhoneでは表示に時間がかかり、また現在地を確認する為にマップアプリを併用したりと、なにかと不便でした。


GoogleEarthに鳥獣保護区表示させてみよう(提案)

表示速度にイライラ、マップでの確認の煩雑さでもイライラしていた中、使い慣れたGoogleMAPで鳥獣保護区と現在地が同時に見れたらなあ、と思っていたのですが、調べていたら国土地理院 で鳥獣保護区のGISデータ(平成21年版)がありました。これを利用してKMLファイルに変換し、Google Mapにアップロードすればいいんじゃね? と思ってやってみたものの、これがGoogleMapの仕様でなかなか上手くいかない。ところが、GoogleMapにアップロードしたのをGoogleEarthで表示させればうまく使えることが分かり、せっかく作ったのだから、公表して皆に使ってもらおうと思った次第です。なお、表示端末はiPhoneを想定しており、Android端末は持っていないため分かりません。あしからず。



ネット版ハンターマップの対象者

この地図は以下のような人達を使用対象としております。
  • 自由猟具ハンター
  • バードウォッチャー、バーダー
  • 法定猟具ハンター(非推奨)
鳥獣保護区の地図ですので、ハンターにもバーダーでも利用価値はあるかと思いますが、法定猟具、特に銃のハンターは推奨できません。国土地理院では「特定猟具禁止区域(銃)」GIS情報を提供しておらず、当地図も現時点で特定猟具禁止区域の情報はありません。鳥獣保護区よりも特定猟具禁止区域の方が広い都道府県も多く、銃猟でこの地図はあまり参考にならないかと考えます。また、国土地理院が提供するデータは平成21年度のものです。現在とは違う箇所もあるため、ご注意下さい。



使い方

1.まずPC上での設定です。自分が狩猟を行う都道府県の地図を、下記の「鳥獣保護区地図一覧」からリンクをクリックして下さい。ここでは例として、長野県を使います。


2.クリック後、下図のようなGoogle Mapsの画面に飛びます。ここでグーグルアカウントにログインしていなかったら、ログインまたはアカウントの作成を画面右上で行なって下さい。ログインが済んだら、画面左の「マイプレイスに保存」を行なって下さい。


3.続いてiPhoneの設定です。iPhoneのGoogleEarthアプリを立ち上げて下さい。なければ、iTunesからダウンロードをお願いします。(リンク:iTunes「GoogleEarth」


4.iPhone画面右下の設定をタップします。


5.設定でグーグルアカウントにログインし、マイマップを選択します。




6.マイマップで自分がマイマップに登録した県の選択して下さい。下のスクリーンショットではいろんな県が表示されていますが、貴方がマイマップに登録したものだけが表示されるはずですので、それを選択して下さい。





7.これで完了です。GoogleEarth画面に戻り、操作して下さい。長野県のマップの上のレイヤーに、鳥獣保護区が表示されています。色分けは赤が鳥獣保護区、黄色が特別保護区、茶色が休猟区です。ズームしても使えますし、左下の自分の位置をタップすれば、自分がどの地域にいるかも分かります。




注意事項

  • 本地図のデータは国土地理院が提供する平成21年度のデータを利用しております。最新のデータとは異なる所も多いため、利用は最新地図を理解した上での補助的な使用に留めてください。
  • 本地図を利用したことにより発生した全ての損害について、一切の責任を問わないものとします。自己責任でご利用下さい。
  • 本地図のデータには、特定猟具禁止区域のデータを含みません。銃猟・罠猟での使用を考えられている場合、特定猟具禁止区域の情報の補完手段を、最新情報と併せてご用意下さい。
  • Google Mapsでは、一つのページに全ての区域が表示されないなど、著しく問題があります。使用はGoogleEarthでお願いします。
  • 無料で提供され、オープンなデータ・システムで構築された本地図は、データの信頼性を保証するものではありません。
  • とどのつまり、この地図だけで狩猟はするな、と言う事です。都道府県の最新情報と併せ、狩猟現場で補助的なツールとしてお使いください。
  • 狩猟関連の法令を正しく理解し、遵守した上でお使い下さい。



鳥獣保護区地図一覧

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おわりに

くどいようですが、この地図はあくまで補助的なものです。しかし、自分がどのような場所にいるのかをてっとり早く確認するにはある程度有用と思われます。2012年度の猟期はほとんどの地域で終了しましたので、もし来季にこの地図を利用しようと思われた方がいらしたら、実際に猟期前にiPhoneで使えそうか試してみて下さい。