2013年4月13日土曜日

NBC偵察車@陸上装備研究所一般公開(前編)

本日4月13日は、防衛省技術研究本部陸上装備研究所の一般公開でしたので行ってみたところ、まだ珍しいNBC偵察車が展示されておりましたので、これについて隊員の方に詳しく聞いてみました。

NBC偵察車
NBC偵察車は82式指揮通信車ベースの化学防護車と、トラック型車両の生物偵察車の2車種を一本化した後継装備で、2010年に配備が調達が開始されました。従来の化学防護車が核兵器(Nuclear)・化学兵器(Chemical)環境下での調査・分析活動を、生物偵察車が生物兵器(Biological)環境下での調査・分析活動と任務が分かれていたのに対し、NBC偵察車は1両で核・化学・生物兵器環境下における調査・分析できる車両として開発されました。
従来の化学防護車が6輪の車両であったのに対し、NBC偵察車は8輪と大型化しており、内部容積の拡大によって居住性・分析能力の向上が図られています。8輪に大型化してはいるものの、6輪の化学防護車と同程度の旋回半径を維持しているのも特徴です。

各車両比較

次に各機能を見て行きましょう。まず、車体前部に取り付けられた化学剤検知器です。

化学剤検知器 AP2C-V

この化学剤検知器はフランスのPROENGIN社製のAP2C-Vで、自衛隊や警察でも携帯型検知器として導入されているAP2Cの車載版です。化学剤汚染検知し、アラートを出したりするために使われます。

生物兵器検知 大気収集口

車体上部には生物兵器を検知するため、大気を収集する管が2本設置されています。左の管は大気中の微粒子を収集し、生物兵器に使われる大きさの微粒子を検知します。生物兵器が大気に撒かれる場合、菌が付着する粒子は大きすぎても小さすぎても効果が下がるため、一定の大きさの粒子が使われることを利用したシステムです。右の管は大気中のサンプルを集め、車内での分析に供せられます。

続いて車体後部を見てみましょう。
NBC偵察車 車体後部
NBC偵察車の後部には、試料採取の為の装置があります。ここでは、NBC偵察車の特徴でもある、人力による試料採取を紹介しましょう。

化学防護車 マニピュレーター
従来装備の化学防護車では、試料をマニピュレーターを車内から操作して採取していました。しかしながら、この手法は操作に時間がかかる、マニピュレーターが故障したら採取ができなくなる等の問題がありました。
このような問題に対し、NBC偵察車は実にアナログな方法で解決しました。

人力操作による試料採取
 上記の写真のように、車外に化学グローブを出して、人力で試料採取を行う方法です。これにより、マニピュレーターよりも迅速な試料採取を行うと共に、故障知らずの信頼性を手に入れております。
発想的には、外気と遮断した環境で作業を行う装置であるグローブボックスと同じで、対象が中にあるか外にあるかが逆転しただけです。


NASAで使われているグローブボックス

次回はどうやって採取し、分析するかについて紹介したいと思います。