2013年12月11日水曜日

オオカミ少年は死なず ~民主主義は何回死んだか~


特定秘密保護法が成立しましたね。

この法案を巡っては、反対論陣を張ったメディア、特に朝日新聞と毎日新聞が批判的な報道を連日繰り返していましたが、法案成立時に毎日新聞は「民主主義死す」とまで題した見出しをつけています。
特定秘密保護法:成立 軽々と、民主主義死す 「息苦しい世になるのか」

出典:毎日新聞 12月7日朝刊

民主主義が死んだとは穏やかではありませんね。本当に民主主義が死んだのであるならば、メディアによる政府批判や、私のような一介のブロガーが呑気にブログ書いてたりは出来ないと思うのですが、「民主主義が死ぬ」というフレーズは、昔から色んな政治家が、揉めた法案がある度に発言していた記憶があります。

そこで、平成以後に国会議員が発言した「民主主義の死」に類する発言をいくつかピックアップしてみた。(肩書はいずれも発言時)

自自公の数の横暴で民主主義が死にかけている。一日も早い解散を迫っていく。

出典:羽田孜(民主党幹事長)
2000年 福岡市内のホテルで開催された「新春のつどい」にて

理念なき妥協であり、有権者を愚ろうし議会制民主主義の死滅にもつながりかねない

出典:土井たか子(社民党党首):1999年 衆院比例定数削減について

PKO協力法案は平和的な国際貢献の名に値しない。自衛隊の海外派兵を最優先する悪法だ。全力で阻止する。参院での強行採決以来、我々が考えてきた国会のルールが踏みにじられ、議会制民主主義が死滅せざるを得ない。

出典:田辺誠(社会党委員長):1992年 党内の朝の代議士会挨拶にて

採決は無効だ。自公民3党で決めたことで国会が動くようでは議会制民主主義は死滅だ

出典:田辺誠(社会党委員長):1992年 PKO法案特別委員会の採決後に

皆さん、軽々しく民主主義を殺しすぎですね。もう20年以上前のもあるんですが、死者に鞭打ちすぎだと思います。

さて、このように「民主主義の死」と煽る人物に共通するのは、代議士制における民主的意見集約手段である選挙結果を無視し、審議の打ち切りと強行採決を持ってして「死んだ」「死ぬ」と言っている点ですが、民主党が与党時代に強行採決を繰り返した事は周知の通りですし、社会党の田辺委員長に至っては、PKO法案を巡り2回も「民主主義の死」を発言していますが、その後に社会党は自社さ連立政権を組むにあたり、自衛隊合憲・PKO派遣も認めるように方向転換しました。「民主主義は死んだ」と抜かす人に限って、民主主義を「殺す」側に入る事には躊躇しないのはどういうことなんでしょうか。

今回の秘密保護法を巡っては、反対論陣側はいたずらに危険性を煽り立てるものばかりで、法案そのものを完全否定するあまり、法案が抱える問題点そのものの議論が尽くされず、非常に残念なものとなりました。もっとも、法案は改正することが出来ますし、今後に非自民党政権が成立する可能性だって十分ありますから、その際に改正を議論してくれれば良いと思います。しかし、過去に「民主主義の死」を連呼したオオカミ少年たち(オオカミ爺さんと婆さんですが)が、その後に民主主義を殺して回った事実を見ますと、あまり期待できそうにないと暗澹たる思いがあります。