2013年12月1日日曜日

HMSデアリング来日

英国のジェームズ1世の国書が徳川家康に捧呈され、日本と英国の間に正式に国交が結ばれてから今年で400年目を迎えます。これを記念して、英国海軍の最新鋭艦である45型ミサイル駆逐艦”デアリング”が12月1日に東京港に来航し、晴海埠頭にて記念行事が行われました。


晴海埠頭に接岸する45型駆逐艦デアリング




2008年の”ケント”来航以来、英国海軍の艦艇が来日するのは5年ぶりとなります。今回のデアリング入港前には、日本側のホストシップ(相手を出迎えるホスト役の軍艦)で、自衛隊の最新鋭艦である、あきづき型護衛艦”てるづき”と親善訓練を行い、てるづきが先導する形で一緒に入港しました。


ホストシップのあきづき型護衛艦てるづき

最新鋭駆逐艦であるデアリングは、統合電気推進と呼ばれる先進的な推進機関を持っています。これはガスタービンで発電し、その電力でモーターを駆動させて航行する推進機関で、推進の為の電力と、艦内で使われる機器の電力の電源を共用・一元化することで電気利用の効率性を高め、これにより高い静粛性と緻密な操作制御を実現しています。搭載されるガスタービンも、あきづき型が搭載する”SM1C”(これも英国が開発したものです)よりも新しく、燃料消費の少ない”WR-21”を搭載しており、このガスタービンを搭載した船は45型駆逐艦以外にまだありません。


デアリングに搭載されているWR-21(ロールスロイス社パンフレットより)

エンジン開発に高い技術力を持つイギリスですが、今年に入って、日本との間で防衛装備品の共同開発やテロ情報の共有を行うための情報保護協定が調印されました。まずは防護服などの開発から初め、将来的には艦艇用エンジンの開発まで行うとされています。このような防衛装備品の技術情報やテロ情報の共有は、高い秘密性が求められているため、現在の国会で騒がれている秘密保護法案も、元々はこのような海外との防衛関連情報の共有の為に成立が急がれた背景があります。同様の情報保護協定は、アメリカとNATO、オーストラリアの間でも結ばれております。なお、韓国とも昨年に締結する予定でしたが、締結直前に韓国側から延期の申し入れがあり、以降進展がありません。

現在、防衛装備品の開発は、開発費の高騰によって、費用や技術を出し合う国際共同開発が世界的な潮流になっております。開発費の減少が続く日本でも、その波に遅れないように国際共同開発に取り組むため、武器輸出三原則の緩和や秘密保護法の制定などを行い、環境を整えている段階にあります。そういうことを踏まえて、今回のデアリング来航を見てみると、ただの親善目的の来航以外の、また違った面が見えるかもしれません。


【写真コーナー】

レインボーブリッジを通過するデアリング
前部アップ

艦橋上左右に1基ずつある光学系っぽい何か

艦首4.5インチ単装砲

雄々しいとしか言い様がない