2015年6月23日火曜日

話題のホルムズ海峡で起きた”タンカー戦争”

安全保障関連法案の審議が続いていますが、今議論が集中しているのは集団的自衛権の部分ですね。閣議決定された自衛隊の武力行使を認める新三要件では、個別的自衛権・集団的自衛権かに関わらず、これを満たせば武力公使を可能としていますが、まずは全文を見てみましょう。


  1. 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること 
  1. これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
  1. 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと


この新三要件では、特に1が集団的自衛権に関連しますね。この新三要件を満たす状況の具体例として、政府は以下の様なホルムズ海峡での掃海活動を挙げています。


二つ目は、ホルムズ海峡での機雷敷設です。
海洋国家である我が国にとっては、国民生活に不可欠な資源や食料等を輸送する船舶の安全確保は極めて重要です。我が国が輸入する原油の約八割、天然ガスの二割強はホルムズ海峡を通過しており、ホルムズ海峡はエネルギー安全保障の観点から極めて重要な輸送経路となっています。
仮に、この海峡の地域で武力紛争が発生し、ホルムズ海峡に機雷が敷設された場合には、かつての石油ショックを上回るほどに世界経済は大混乱に陥り、我が国に深刻なエネルギー危機が発生し得ます。
平成27年2月16日衆院本会議での安倍総理答弁


これらの政府答弁から、頻繁にホルムズ海峡での機雷掃海という言葉が挙がるようになりました。しかし、ホルムズ海峡と言っても、なんでそこが例として出されるのか、疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

今回は、このホルムズ海峡がどういう所なのか、過去にどういう事があったか見てみましょう。



タンカーが狙われた”タンカー戦争”

ホルムズ海峡は世界有数の産油地帯であるペルシャ湾への出入口となる海峡で、最も狭い所で幅が約33キロメートルほどしかありません。

ホルムズ海峡(Google Earthより)


安倍総理の答弁通り、日本の原油を運ぶタンカーは、この場所を頻繁に往来しています。湾岸諸国で算出される原油は、主にアジア向けに輸出されており、日本を支える重要なライフラインでもあります。

ところが、このホルムズ海峡周辺の国際情勢は度々緊迫しています。

1980年に勃発したイラン・イラク戦争は、当初はイラク優勢に進んでいたものの、次第に国力に勝るイランが優勢になりました。和平に応じないイランに経済的圧力をかけるため、イラクはイランの石油基地のあるカーグ島周辺での船舶の通行を禁止し、1984年3月17日にはギリシャ船籍のタンカーをミサイル攻撃したのを皮切りに、無差別タンカー攻撃を開始しました。イランもタンカーへの報復攻撃を行ったため、「タンカー戦争」と呼ばれる事態になりました。1988年4月にはタンカー護衛にあたっていた米海軍のフリゲート艦が、イランが敷設した機雷により損傷し、報復にイラン海軍を攻撃する事態にもなっています。

ペルシャ湾でタンカーを護衛する米海軍艦艇(Wikimediaコモンズより)

このタンカー戦争により、1988年8月の停戦までの4年5ヶ月で、407隻の船舶が被弾、12隻が機雷に接触、333名の死者と317名の負傷者を出しました(出典:河島義夫「ペルシャ湾タンカー戦争と日本船社の安全運行対策」『国防』1989年5月)。また、日本人が乗船する船に対して、イラクは攻撃しなかったものの、国籍不明あるいはイランによる攻撃は12隻が受け、日本人船員も2名が死亡しています。他にも、船舶にかけられる保険料が10倍にまで高騰するなど、当地の海運に深刻な問題を起こしました。



原油供給に深刻な影響を与えなかったタンカー戦争

このように日本への被害もあったタンカー戦争ですが、攻撃が散発的で海峡封鎖という事態にはならなかった事から、中止や再開を繰り返しつつもタンカーは行き来しておりました。幸いな事に、この頃は今ほど石油の世界需要も高くなかったので、タンカー戦争は原油価格にほとんど影響も無く、円高が進んでいた事も手伝って、「かつての石油ショック」のような経済への悪影響は目立ちませんでした。

ドバイ原油価格推移(http://ecodb.net/pcp/imf_usd_poildub.htmlより)


しかし、現実的に今、ホルムズ海峡で通行の安全が、タンカー戦争以上に脅かされる事態になったらどうなるでしょうか? 原油価格はタンカー戦争時と比べて遥かに高騰しており、仮にホルムズ海峡封鎖という事態になると、原油価格と供給に与える影響は計り知れない、という主張もそれなりに意味はあるかもしれません。



ホルムズ海峡での機雷掃海。どこまで現実的?

しかし、逆説的に言えば、海峡封鎖にまで事態が発展すると、あまりにも重大過ぎるので日本だけの問題で済まないし、日米の問題にも留まりません。近い将来にホルムズ海峡で海峡封鎖があったとしても、事の重大さから大国が中心となって問題国に対する武力行使がなされるでしょうし、そこで自衛隊による機雷掃海の出番があるかというと、タンカー戦争ではほとんどが航空機からの爆撃被害だった事を考えると、戦後に少数の機雷を掃海する程度ではないでしょうか。そして、停戦後の機雷掃海は、集団的自衛権が認められていなかった時でも、湾岸戦争後に自衛隊が行っていました。

そしてなにより、ペルシャ湾岸諸国ではイランとアメリカとの関係改善が本格化しており、現時点でホルムズ海峡で何か起きるかというと、その可能性は相当低いもので、果たして具体例として適当かというと相当の疑問が残ります。

唐突にホルムズ海峡が飛び出てきた事は審議混乱の一因もなっており、せめて「過去にはホルムズ海峡周辺で日本の民間船舶が攻撃を受け、日本人の死者も出している。このような危険の回避策に乏しいチョークポイントにおいて、緊急事態が継続的に進展していった際は~」くらいの説明に留めていおいて、いきなり「ホルムズ海峡での機雷掃海」みたいなド直球なのは避けた方が無難ではなかったか、と思うのですがどうでしょうか。

【関連】



2015年6月5日金曜日

トルコ海軍TCGゲディズ来日写真詰め合わせ

トルコ海軍のフリゲート艦TCGゲディズが晴海埠頭に来航し、一般公開されたので行って参りました。イベントについては、Yahoo!ニュース個人の記事を参照してください。


ブログの方では写真レポを。


まずは入港時の様子の動画。





この手の一般公開としては長い、6月8日まで4日間の公開が予定されています。






ゲディズは元々、アメリカ海軍で使っていたOHペリー級フリゲートが前身ですが、前部甲板にVLSが8セル増設されています。ESSMの運用能力追加計画もあるようですが、ゲディズでESSM運用出来るかはちょっと解りませんでした。




この無骨さ。大戦中のドイツの傑作機関銃MG42を戦後にNATO弾仕様に改修したMG3です。全体に浮いたサビ、無理やりくっつけたマウントが良い味を出しています。



普通に触れるので弄ってみよう!






艦橋両脇にあるウィング部に設置してあったコンパスです。ちなみに、艦橋内部は入れますが、写真撮影禁止でした。コンパスにはHenschelと書いてあったのですが、ヘンシェルって、あの戦車作ってたヘンシェルの関連企業でしょうか。本体は今はなくなっちゃいましたけど。



ちなみに、これはホストシップとして公開されていた護衛艦たかなみの艦橋内のコンパスです。たかなみは艦橋で写真もOKでした。



これはウィングにあった速度計です。露天にあるので、すごい無骨に保護されています。



ウィングにいた兵士。銃はMP5ですね。トルコは伝統的にドイツの影響が強いからか、艦内ではドイツ製品をよく見かけます。



ウィングにあった伝声管です。艦橋内部にもいくつかあります。






これは海自の護衛艦にもありますね。長距離に音声を伝達する装置、LRADです。裏側は初めて見ました。



OHペリー級は艦砲を船体中央部の上部構造物上に置くという、変則的な配置をしています。ここは艦橋から上部構造物に降りた場所です。結構スペースあります。


スタンダード・ミサイル誘導用のMk.92 FCS。こんなとこに置いて大丈夫なんだろうか感ある。


ヘリ甲板に駐機してあるシーホークです。

ぜかまし
ゲディズの近くにいたぜかまし。



ボケと劣化がひどいけど、たかなみ艦橋の推進部の表示板。左右上から、一杯、最大戦速、五戦速、四戦速、三戦速、二戦速、一戦速、強速、原速、半速、微速、最微速と、速度別の表示がされています。

平日ということもあり、目当てのゲディズの他、ホストシップのたかなみものんびりと見れました。土日は混むかもしれませんが、月曜日まで公開しているので、時間がある方は行かれても良いのではないでしょうか。


2015年6月2日火曜日

釣り堀


Twitterからここに来た人、

怪しいリンクをクリックしてはいけない(戒め



2015年5月28日木曜日

過熱するオーストラリアの潜水艦商戦。日本の商機は?

日本単独から日独仏の競争入札へ

これまでも「オーストラリアが日本の潜水艦に関心を持つワケ」「日本からの潜水艦導入を巡るオーストラリアの事情」と、オーストラリアの次期潜水艦と日本の潜水艦輸出の可能性についてお伝えしてきましたが、ここにきて事情がだいぶ変わってきました。

昨年末にオーストラリアのジョンストン前国防相が、潜水艦の建造に携わる国営企業ASCについて、「カヌー造りも信頼出来ない」と発言した事で批判を受け、辞任に追い込まれました。それまで日本から潜水艦の輸入を計画していたと報じられていましたが、国防相辞任を受けてアボット内閣は外国との共同開発・生産を行う方針に切り替え、コンペによって今年末までに潜水艦を決定する事になりました。

このコンペにはドイツとフランスが手を挙げ、日本も参加する方針と伝えられています。日独仏の3カ国によるコンペという形になるようです。数百億ドル規模とまで言われている「オーストラリア海軍史上最大の計画」獲得に向け、3国の熾烈な戦いが始まります。

そこで今回は、各国の提案や施策がどのようなものになるか、現時点でわかっている事をまとめた上、比較してみました。


ベストセラー潜水艦の大型化を提案するドイツ

今回の入札に対して、ドイツ鉄鋼・機械大手ティッセン・クルップのグループ企業、ティッセン・クルップ・マリンシステムズ(TKMS)は、U214型潜水艦を基に大型化したU216型を提案しています。原型のU214型はTKMSの輸出用潜水艦の最新モデルで、前のモデルである209型は50隻以上が海外に輸出され、戦後世界で最も普及した通常動力潜水艦です。

ドイツ提案のU216型潜水艦(TKMSサイトより)

U216型は永久磁石を採用する事で従来よりモーターを小型軽量化し、鉛電池より蓄電性能に優れたリチウムイオン電池を採用する等、新機軸を採り入れています。日本との単独契約が伝えられていた頃のオーストラリアは、リチウムイオン電池推進に関心を持っていたと伝えられているので、最新のドイツ潜水艦の特徴であった燃料電池でなく、リチウムイオン電池を搭載してきたのは、大きなアピールポイントになるかもしれません。

潜水艦の輸出大国であるドイツは、豊富な海外輸出経験に加え、高い技術力を持つなど、有力な対抗馬と言えます。


原子力潜水艦の通常動力型を提案するフランス

フランスのDCNSが提案する潜水艦は、現在フランス海軍向けに建造が進められている次期原子力潜水艦シュフラン級(計画名バラクーダ型)の船体を基に、機関を通常動力型に変更したものを提案しています。

フランスが提案するバラクーダ型の原型の原子力推進型(DCNSサイト(PDF)より)

原子力から通常動力に変更されることで、どのくらい原型から変わるのかはまだ明らかではありませんが、原子力型では静粛性に優れたポンプジェットプロペラ推進を採用し、特殊部隊の作戦も考慮した居住スペースを設けており、将来の改良についても柔軟に行える事をウリにしています。



日本の提案と有利なポイント

日本の提案は明らかにされていませんが、オーストラリア側がそうりゅう型潜水艦に興味を示していた事、日本はそうりゅう型そのままの輸出に抵抗を持っていたと報じられていた事から、そうりゅう型を原型としたオーストラリア向け仕様の潜水艦になるのではと推測されます。

海上自衛隊のそうりゅう型潜水艦(海自写真ギャラリーより)

日本が有利な点としては、オーストラリアへの潜水艦技術の輸出にアメリカ側から好意的な反応がある事です。オーストラリア海軍は装備やシステム面でアメリカとの関係が強く、アメリカの協力が得られるならば日本にとり大きな「援軍」となる上、日本も秘密の多い武器システムを渡す事は避けられるので、日豪両国にメリットがあります。

また、オーストラリアが望んでいる水中排水量4,000トン級の通常動力型潜水艦の建造・運用実績は、日本以外に無いのも強みと言えるでしょう。ドイツとフランスも設計案は出しているものの、以前も拙稿「日本からの潜水艦導入を巡るオーストラリアの事情」でお伝えした通り、オーストラリアは過去に潜水艦、防空駆逐艦調達で実績の無いペーパープランを採用して多数のトラブルに見舞われています。高い買い物の潜水艦で、これらの轍を踏む事は避けたいところでしょう。

気になるのは、そうりゅう型の特徴とされるスターリング機関をどうするかです。スターリング機関は非大気依存推進(AIP)機関の一種で、外気を取り込まずに推進力を得る事が出来ます。通常動力型潜水艦の水中での活動時間を向上させる効果があると考えられており、そうりゅう型ではディーゼル機関の補助として搭載されています。しかし、海上自衛隊の次期潜水艦ではスターリング機関を搭載せず、リチウムイオン電池を採用する事で飛躍的に性能が向上すると報じられており、スターリング機関は過渡的な機関として終わる事になりそうです。オーストラリアも過渡的なスターリング機関ではなく、リチウムイオン電池の搭載を望むかもしれません。


受注に向け動いている独仏


元々は日本と単独契約すると伝えられていただけに、日本有利なポイントもある潜水艦商戦ですが、油断はなりません。すでにライバルは受注に向けた布石を打っています。

フランスのDCNSは昨年11月、オーストラリアに現地法人を設立しました(DCNS公式リリース)。狙いはもちろん次期潜水艦です。現地法人設立にあたっては、アンドリュー豪国防相の訪問を受けています。

ドイツは更に踏み込み、TKMSによる豪ASCの取得を検討しているとIHS Jane'sが伝えています(IHS Jane'sリンク)。ASCはその技術力が疑問視されてはいますが、オーストラリアで潜水艦の保守整備を行うのには欠かせない企業です。ASCを手中にすれば、TKMSは製造から保守サポートまで一貫した提案が可能になり、商戦にあたっての強みとなるでしょう。

独仏が既に大きく動き出している中、日本は政治的な繋がりはあるものの、獲得に向けた具体的な施策では出遅れているのではないでしょうか。オーストラリアは防衛分野でアメリカに次ぐパートナーとなると見られているだけに、今回は是非とも日本案を採用してほしいところ。そのためには、日本も思い切った提案が必要になるかもしれません。



【関連記事】

「元艦長に聞く、潜水艦の世界」講演要旨
海上自衛隊の元潜水艦艦長による講演の要旨。日本の通常動力潜水艦の運用や、その優位点、性能等の貴重な話です。


「日本からの潜水艦導入を巡るオーストラリアの事情」
オーストラリアが日本の潜水艦を欲する事情として、過去の艦艇調達プログラムの失敗について紹介。


「オーストラリアが日本の潜水艦に関心を持つワケ」
オーストラリアが日本の潜水艦に関心を持つ理由について解説した過去記事です。理由はオーストラリアの広大な排他的経済水域にありました。


【関連書籍】





2015年5月22日金曜日

文民統制は戦争の歯止めになるのか?という話

「文民統制」の話ですが、本論に移る前に、一見相応しくない話をします。

ドローン中継を各地でしていた15歳の少年が逮捕されましたね。この少年は動画配信を始めてから学校を退学し、視聴者の煽りに乗せられるままに過激な放送を行っていたそうです。親がPC没収、小遣いの打ち切りに出ても、ネット経由で視聴者が金銭やPC、ドローンを与えて放送を続けさせた結果、今回の逮捕という結末になりました。人生を狂わされた少年が支払った代償は計り知れませんが、煽った視聴者は責任を問われる事もなければ、なんの代償も払う事はないでしょう。

放送で楽しんでいたという点で少年も視聴者も同じですが、両者が負担するコストには、あまりに大きな不均衡が存在しています。この点を踏まえて、文民統制の話に移ります。



軍の暴走を抑止する文民統制

安全保障関連の法律の改正、制定が続いております。先日も防衛省設置法が衆議院で採決されました。

 防衛省の内局官僚(背広組)と自衛官(制服組)を対等に位置づける同省設置法改正案が15日の衆院本会議で採決され、与党と維新の党などの賛成多数で可決、参院に送付された。民主党などは「文民統制(シビリアンコントロール)」を弱めるなどとして反対した。



防衛省設置法改正を巡る議論の焦点は、防衛省内で内局官僚(背広組)より立場が下だった自衛官(制服組)を、背広組と対等の関係にする事でした。これにより自衛隊運用の効率化を図るとしていますが、野党からは文民による統制、シビリアンコントロールが弱まるという批判が出ています。

ここで、文民統制とはなんなのか、一度振り返ってみましょう。


「文民統制(シビリアン・コントロール)とは、『議会に責任を負っている大臣(文民)が軍事権をコントロールして、軍の独走を抑止する原則』です。(中略)簡単に言えば、自衛隊が独り歩きして、戦争をすることを防ぐためです。」




文民統制は「軍の独走」を抑止する原則で、戦争を防止するための機能を持つということです。野党は制服組の発言力が高まる事で、文民統制が弱まると懸念しているのです。

このような野党の批判に対し、今回の改正は防衛省内の「文官優位」を是正するもので、政府による文民統制はむしろ強まるという反論が政府からされています。

この政府・野党の文民統制を巡る議論を見てみると、文民統制が「軍の独走」を抑え、戦争を抑止する働きを持つという認識を、政府・野党は共有している事が分かります。



戦争に突き進む、好戦的な文民統制

しかし、本当に文民統制が戦争を抑止するのでしょうか?

この命題に対し、国際政治学者の三浦瑠麗氏はその著書「シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき」で、民主主義が確立した国で文民が主導する「成熟したデモクラシーによる戦争」がしばしば行われている事を指摘しています。

「アルゼンチンに負けるはずの戦争」として軍が反対したフォークランド紛争、抑制的だった軍にホワイトハウスのタカ派が圧力をかけた湾岸戦争、戦争のコストが低く見積もられていると陸軍や海兵隊が激しく反対したイラク戦争、93%の国民が戦争を支持した第二次レバノン紛争……。三浦氏はこれら民主主義国による戦争で、「抑制的な軍」「好戦的な文民」といった構図があり、抑制的な軍を押し切って文民が戦端を開いた事を明らかにしています。文民統制がしっかしりているからこそ、軍事のプロフェッショナルである軍が反対しても、アマチュアである暴走した文民の意向に軍は従う他ありません。

市民の前で整列する自衛官(筆者撮影)

特定の国の特殊例だという意見もあるかもしれません。しかし、過去の日本にもこのような例は存在します。日清戦争が開戦に至った理由を、日本国内の「衆意」の存在に求める研究があります。政権内の対清強硬派の存在に加え、当時の強硬論を唱えるジャーナリズムがあり、総選挙を控えた伊藤内閣は戦争に踏み切らざるを得なかったというものです。このように、好戦的な文民による戦争は普遍的に見られるようです。

軍の暴走による戦争は抑止するが、文民の暴走による戦争は抑止できない。これが文民統制の限界なのです。



文民による戦争を防ぐには

好戦的な文民による戦争を防ぐにはどうすればよいでしょうか。三浦氏はデモクラシーを「共和国」に近づけることを提案しています。ここでいう「共和国」とは、政策決定への自由な参加とその結果を応分に負担しあう国家像の事を指します。イラク戦争では戦争を始めたのは文民でしたが、大量の戦死者という形で犠牲を払ったのは軍人でした。このように文民と軍人の間で、負担の不均衡が生じており、それによって文民による戦争への敷居が下がっているのです。

三浦氏は「共和国」提案の中で、軍の経験や価値観を共有する国民を増やすため、緩やかな徴兵制の復活といった刺激的な具体策を挙げています。徴兵制復活は議論の余地が大きいでしょうが、文民が戦争の結果を応分に負担する方策と言うと、他に思いつきそうにありません。なにせ、軍人のかけるコストは命なのですから。

しかし、現実的に徴兵制は世界から消えつつあります。こうなった場合、それ以外の方法で「抑制的な文民」を実現する制度を構築する必要があります。一つの解として、憲法9条のように、戦争による問題解決をあらかじめ禁止しておく方法もあるでしょう(9条は武力の保持も禁止していますが、それはひとまず置いておくとして)。しかし、先にあげられたフォークランド紛争のような主権の侵害に対する反撃となると、現在離島防衛が議論されている事などを踏まえると、いささか9条でも抑止効果は期待出来ないのかもしれません。

人が抑制的であるのは難しい事だと思います。ましてや、自分のよく知らない事なら、過激な選択にブレてしまう事もあるかもしれません。この問題の解決策にならない事を承知の上で言いますが、実質的なコストを払う側にもう少し意識を向けてみてはどうでしょうか。冒頭に挙げた少年も、視聴者がそうだったなら違った結末もあったのかもしれません。

図らずも一人の少年に民主主義国家の戦争の縮図を見ました。応分なコストを引き受ける覚悟、貴方にはありますか?


【関連】


三浦瑠麗「シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき」

正直に書くと、これが岩波から出たのか、と驚いたくらい刺激的な本です。

文民的な政権が戦争に走る。それも国民に不人気な予備役動員をしない等の制約を付けるものだから、代わりに戦地で軍人が死に、戦争の政治的目標も達せられないという例すらあり、文民が起こす戦争の醜さを描き出しております。文民統制を考える上で必読。




大谷正「日清戦争」 (中公新書)

近代日本最初の対外戦争である日清戦争のコンパクトな通史。

東学党の乱に出兵したものの、部隊が着いたら既に乱は収束してて、振り上げた拳を下ろす先が無いから撤兵出来ない。世論は強硬論で総選挙前、もう収拾には開戦するしかないという、グダグダな経緯が簡潔に分かります。そりゃ、開戦の50日前でも、中国沿岸を当時まだ小さい日本海軍がのんびり航行してるワケだわ。

軍部の独走などで語られる事の多い日本の戦争ですが、元老がいて政府が機能していた明治でも文民的な戦争がありましたという点で、今読むと考えさせられるものがあります。



2015年5月6日水曜日

遂に硫黄島でも携帯が使えるようになった(なる?)らしい

既にツイートをしていますが、どうやら硫黄島(下Google Maps)で携帯電話が使えるようになったらしい。あの絶海の孤島で、だ。





第二次大戦の激戦地である硫黄島は、戦後しばらくはアメリカ統治下にあり、1968年に日本に返還されたものの、現在まで一般人の立ち入りは制限されていて、居住しているのは駐留する自衛隊員や工事を請け負う建設関係者くらいしかいない。

Wikipediaで「硫黄島」を読むと、通信事情についてはこう書かれている。

2013年現在、島内に携帯電話基地局は存在せず、また周辺からの電波も届かないため、島内で通常の携帯電話は圏外となる。移動通信は衛星を使ったサービスに限られる。


2013年現在だが、住民もたいしていない硫黄島にキャリアが携帯基地局を設置するメリットがあるとは思わなかったので、今もそのままだろうと思っていた。

ところが、防衛省の入札情報を調べていたら、平成25年8月1日付けでこんな案件があった。

東京都小笠原村硫黄島における在島隊員の福利厚生及び来島者の利便性を確保するため、携帯電話サービスのための携帯電話基地局の設置事前調査及び設置工事を行う業者ついて、次のとおり募集します。



なんと、硫黄島への携帯電話基地局の設置調査と工事についての入札だ。海上自衛隊は硫黄島で携帯を使えるようにしたいらしい。

更に調べると、株式会社若電という会社が、2014年の工事実績に「硫黄島無線基地局新設工事」を掲載していた。どうも応札したキャリアがあり、工事も既に行われていたようだ。

国関連の仕事だと、やはりNTTドコモかと思い、ドコモのカバーエリアを調べたが硫黄島には何もない。ならばKDDIかと思って調べたが、これも未カバー。じゃあ、応札した会社はいなかったのか……と思ってたら、まさかのソフトバンクがカバーしていた。


ソフトバンクがカバーしている硫黄島(ソフトバンクサイトより)
2015年5月5日現在、ソフトバンクのサイトでは「2015年4月以降に拡大予定のサービスエリア」となっており、サービスインしているかは不透明だが、仮にしてなかったとしてもごく近い将来サービスインすると思われる。今まで絶海の孤島だった硫黄島でも、島内のほとんどの地域でスマートフォンが使えるようになる。

この事は、従来から行われている遺骨収容にも良い影響を与えるかもしれない。既に当ブログでも、「戦艦武蔵発見で考える海没遺骨とその尊厳」「今なお百万柱が眠る海外戦没者と遺骨収容」といった関連記事を伝えているが、硫黄島でも1万2千柱の戦死者の遺骨が収容されずにいる。

島内のほぼ全域で携帯電話が使えるようになれば、駐留隊員の福利厚生の向上の他にも、今後の遺骨収容事業を進める上で有益である事は想像に難くない。通信事業者として、基地局設置を行ったソフトバンクの英断を称えたい。



【関連】

2015年4月25日土曜日

「人はネットだけで生きていけるか」を2年ほどやってみた結果

はい、こんにちは。dragonerです。テキトーに生きてます(前振り)。

Twitter見ている方には既報ですが、まずはご報告。

ブログ記事を寄稿しているYahoo!ニュース 個人にて、「戦艦武蔵発見で考える海没遺骨」が月間MVAを受賞しました。やったねたえちゃん!

で、その受賞知らされる前、こんなんツイートしてました。


これにプラスMVA副賞の10万円なので、さらに収入増えたよ! やったね!

前に相互フォロー某氏と飲んだ時、「ところで、dragonerさんって今ナニやって生活してんですか?」と聞かれたくらいフォロワーにとっても職業不詳おじさんで、正直自分でも何やってるのか説明つかない状況でしたが、なんとか2年で軌道に乗れた感じです。

仮にもリーマン生活を送っていた人間が、何を血迷ってネットから収入を得て生きる冥府魔道へと足を踏み入れたのか。決定に至るまでの皮算用とその経過、そして現時点までの結果をまとめてみた。


そもそもの経緯


そもそもの経緯はこんな感じである。





辞めよう(決意)



よし、大学院入りなおして出直そう(安易な学歴ロンダ)



2012年終わり頃「大学院、もうすぐ修了しちゃうね」



ちょっとだけ就活する



国家公務員とかNGOとかの面接落ちた。もう面接したくない。



_人人人人人人人_
>  修了(終了) <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


アカン。大学追い出された。とても気に入っていたのに。

ここに書いた経緯は色々差っ引いたり、脚色もあったりするが、少なくとも嘘は言っていない。

さて、これからどうやって生きていこうかと、あれこれ考え始めたのは2013年始めの頃。

まずは収入をどうするかという最優先事項。

会社は辞めたし、失業保険は既に切れていたが、その時点でAmazonアソシエイト・プログラムからのアマゾンギフトカード収入が、月々ハードカバー数冊買える程度入っていた。これをちょっと研究して、ネットのマネタイズ手法色々組み合わせれば、なんとかなるんじゃね? という実に安易な考えが浮かんだ。

悪名高きユーチューバーのキャッチコピー、「好きなことで、生きていく」は当時まだ無かったが、ネットでそこそこ好きなことやりつつ、ゆるく生きていこうと、このあたりでゆるく決意した。


自分の"武器"はなんだ?

決意したあたりで、ネットにおける自分の価値、あるいは"武器"を整理した。

自分が"dragoner"の固定ハンドルネームを名乗り始めたのは2008年。軍事系ブログを立ちあげ、まあそこそこの規模があったが、サボりがちで閲覧数もそんなに無い。

Twitterは2010年1月に始めてから、2013年3月31日でフォロワー数5622。少なくはないが、ジャスティン・ビーバーみたいにクソみたいな事呟いただけで10万Favくるようなパワーは無い。当面はフォロワー数が一つの指標になるだろうと考えた。

ブログとTwitter、この2つだけ。さて、この2つでどうやってネットで生きていくか。


先行者(非ロボット)たち

まず、ドロップアウトというか脱サラして別の道を進まれている先人について考えてみた。まず思い浮かんだのが……


イケダハヤト師

正直、この人の人格に対する敬意は一切無いんだけど、ネットで食っていくという点において、やはり避けては通れない人なのも事実。

ぶっちゃけこの人、特にキレ味のある文章や論評書ける人じゃないし、専門と言える分野も無い人だけど、なんでもかんでも頭突っ込んで書く姿勢は、ネット界の大川隆法霊言本と言っても過言ではなく、その1点においても賞賛に値すると思いますよ。

でも、真似は出来ないし、したくない。じゃあどうするか。

とりあえず、イケハヤ師に倣う点はコンテンツ基本無料の点のみとし、他は自分の効率性を測るためのベンチマークとした。

と言うのも、イケハヤ師は収入などのデータを公開している数少ない人なので、自分の収入と比較する事が出来るし、イケハヤ師の仕事ぶりはネットで閲覧、計量可能だ。つまり、「イケハヤ師と同等の収入があると仮定し、イケハヤ師の労力のX分の1でそれを得たか?」という指標にする。ざっくり言うと、イケハヤ師がぼくの3倍稼いでても、ぼくの10倍の労力を費やしているのなら、Xは3以上になる。

このXをイケハヤ指数として、最低でも3以上を目標にしようと決めた。イケハヤ師の仕事量を一々計算はしないが、おおむねこの程度書いているから労力はこのくらいで、と相当ざっくりとした基準で推計している。この指数が下がったら、あー俺才能無いというか、何か間違ってるから方法変えよう、という後ろ向きな基準として設定。

これが1下回ったらデッドエンドですよ。だって、ネット中の人がイケハヤ師の真似して同じ労力注ぎ込んでネット活動始めたら、あっという間にイケハヤ師埋没してしまいますよ。だから効率はイケハヤ師に比して、高めに設定しなければならない。


小泉悠氏

お互いに面識ありますが、ここで名前が挙がっているのをご本人が見たら、「うわぁ……」とイヤな顔される事は想像に難くなく、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。テレビでもお馴染みの、ロシアを中心とする軍事問題の専門家の小泉悠氏です。

クリミア危機以降、テレビへの露出も増えられましたが、氏は脱サラ後に外務省の専門分析員として勤務し、ロシアへの研究者派遣を経て、現在は研究所に勤務しつつ、著述活動も行われています。

軍事関連とはいえ、向こうはプロ研究者、こっちはアマチュアなので、そもそも同じ土俵ですらないのだが、リーマン生活から抜けて専門性で売るとは何か?と、氏の活動から考えていた。言うまでもなく、氏の専門はロシアであり、クリミア危機などでホットな領域となった今、活躍の場を拡げられている。

専門性で躍進する氏を見てから、自分を省みる。


一口に軍事マニアと言っても、軍事は人類の歴史分の厚みがあるので、その実態は人によりまるで異なる。特定国に詳しい人もいれば、現代より歴史の方が好きな人、装備ヲタもいれば、サバイバルゲーム好きもいるし、本当に傭兵に行っちゃう肉体派もいる。

その実、自分はどうかというと、特に軍事で詳しい領域というものが無い事に気づいた。とにかく手当たり次第、興味が湧いたものから手を付けては飽きるを繰り返していたので、専門性が無い。

ではどうするか? 結論から言うと、専門性を捨てる事にした。

念の為に言うと、これは「軍事」という自分の領域を諦める事ではない。「軍事」の中の細分化された専門性を捨て、軍事一般の事象をマスを相手にして書こうと考えた。

どんな分野にでも言える事だけど、その分野の専門家がいる階層と、世間一般の階層の常識は異なる。歴史学なんかが良い例で、史学では織田信長の先進性はとっくに否定されているが、未だに世間では信長の先進性を説く人で溢れている。この階層間のギャップを利用する事にし、マニア層ではなくマスをターゲットにして、平易に軍事問題を説くことにした。


この2人の先人を参考に(n数がとっても少ない気がするが)、自分の取るべき方向性を決定した。

当面の方針

さて、ネットで人は生きていけるか、というチャレンジを始める準備は出来た。

このチャレンジをするにあたり、以下の方針を立てた。

無理に数はこなさない

イケハヤ師のように、とにかく数勝負もあるかもしれないが、自分には無理だし、下手に数をこなすと飽きられる恐れがあると思った。

数こなす分をインプットに投じて、アウトプットの質を上げていく事にした。幸い、インプットはそれなりに面白い。イケハヤ指数を高める事は、QOLを高める事でもある。自分で自分の仕事をつまらなくするのは良くない。

読者から金は取らない。基本無料

コンテンツデフレと言われて久しいが、ネットではコンテンツ無料が当たり前の状況になっている。この風潮に関しては批判も多いし歪だと思うが、現に市場がそうなっている以上、真っ向とこれに立ち向かうのは下策。こちらが環境に適応しなければ生き残れない。対価を読者から取るのは無し。

古くからあるネットでのマネタイズ手法として、有料メールマガジン配信がある。有料会員制サイトもこの括りに入れていいと思うけど、このような定期的に自分からコンテンツを作り出し、配信するのは自分には無理だと最初から決めていたし、今でもそう思っている。無料・有料の差別化が難しい上、価値のあるものが出来たとしても、それは極少数にしか配信されず、結果として自分へのリターンは少なくなるからだ。全面的にオープンでいい。

そもそも、Twitterのフォロワーやブログの読者が自分に求めているものはなんだ? 結論から言うと、それはただの暇つぶしでしかない。その暇つぶしが、読者に百円でも負担を強いて良いのか? 良くないに決まってる。

そういうわけで、アフィリエイトや広告等は貼るが、コンテンツそのものには課金一切無しという形にした。ここはイケハヤ師や2chまとめブログに倣った。なお、同人誌のようなコストかかるものは別。そもそも同人誌はマス向けに書いているものじゃないので……。

軍事中心にいくが専門的に深めずマスを狙う

先に書いた通りの方針だが、カバーする範囲は広く浅くを心がけ、引き出しを多くする事にした。その方が、時事に関連付けて記事化するのが容易だと言う事は後々やってみて分かったので、正解だったと思う。

また、文章だけでなく、YouTubeやニコ動などの映像系、あるいは他のSNSも利用して、その方面のユーザーを取り込む事にした。

出版系は当面無し

軍事評論家の故江畑謙介氏(愛称:エバケン)は、潜水艦設計したくて某重工メーカーに就職したけど、潜水艦関係の部署に入れなかったので退職。大学院に入り直し、院在籍中は軍事雑誌に投稿して学費を稼いでたという伝説のある人物だが、果たして今これと同じ事が自分に出来るのか、という問題があった。

少なくとも、自分にエバケンの才は無い。おまけに現在の出版不況は軍事雑誌とて例外では無く、年々小さくなるパイに新参として入っても、色々と面倒くさいだろうという事で封印。実は軍事系雑誌って、記事募集してるとこもあったりするんですけど、当面は様子見で、自分から打って出るのは控えよう。


まとめブログはやらない

YouTubeやニコ動、SNS等配信手段は多様化するが、その一方で禁止事項として。

ネットで食っていく手段の一つとして、2chまとめブログという選択肢もあるだろうけど、以下の理由により却下。

■ネガティブイメージ大きすぎ

説明の必要は無いでしょう。大多数のまとめ管理人と同じように匿名でやればいいのかもしれないけど、それだと1からのスタートとなり、泡沫まとめブログとなって終わるだけ。

■物量戦挑んでも負ける

まとめブログはとにかくスピードと量勝負だけど、明らかに分業、組織的にやっていると思しきまとめブログすらある状況で、今から個人が始めたところで追いつくのは無理。市況かぶ全力2階建のような、独特のセンスを持つニッチ分野のまとめブログなら勝機はあるかもしれないが、それが自分に出来るとも思わない。

■後がない

まとめブログみたいな真っ黒寄りのグレーなコンテンツが、今後も長く生き残れるはずなかろうて。今後の見通しが無いならリスクの塊。


2年経過して

まあ、なんとか生きてます。色々模索していた時もありましたが、落ち着いてきました。

ユーチューバーみたいに自分を売る事もせず、2chまとめブログにも手を染めず、半匿名東方アイコンのままでネットで生活出来たのは、上出来かなと思っています。

独身で親同居なのが大きいのは事実ですが、2014年には2回、2週間ほど海外旅行にも行けたし、犬を飼い始めるくらいには時間的・金銭的余裕も出来たなあ、と。ワーキング・プアと言うには全然働いてないので、QOL高く生きられていると思っています。

まあ、生存者バイアスなのは間違いないですが。高齢になったらヤバいけど、肉体使わない分だけ対応は楽だと思いたい。


これからの課題

「いつまでも あると思うな ネットのカネ」

Amazonアソシエイト・プログラム様には何度も紹介料改定という名の料率下げをして頂いたため、「お、だいぶ売上上がったな」 → 「また値切られたよ……」が繰り返されることとなった。TwitterでウザったくAmazon商品紹介ツイートしてゴメンナサイ。

また、幸運にもオーサーに入れたもらったYahoo!ニュース個人。今年に入り、料率上げその他インセンティブ制度と随分羽振りが良くなったが、景況に左右される広告収入ベースのままだといつどうなるか分かったもんじゃない。

とりあえずは、現在のネットをベーシック・インカムとして固めつつ、さらに別の道を模索して種をまく日々。果たして明日はどっちだ。


おわりに

SNS見渡すと、会社つらい辞めたい言ってる人ばかりなので、本当に壊れてしまいそうなら、こういう道もあるかとは思うんですがどうでしょうね。

自分の話は生存者バイアスかかってるのは確実だし、このテキストはそもそもの始まりと結果だけで、経過と具体的な施策について一切書いてないので、他人にお勧めはしませんが。

結論としては、「好きなことで、生きていく」のはそれなりにしんどいし、そこで折られたら再起不能になるかもしれないけど、「そこそこ好きなことで、ゆるく生きる」のはなんとかなりました。

【関連】

note:「Yahoo!ニュース個人オーサーカンファレンスについてのあれこれ」 

昨年末のYahoo!ニュース個人オーサーカンファレンスに関連し、色々模索している頃に行ったYouTubeの話とか。今をときめく「ユーチューバー」の起源が少しだけ明らかにされる。100円と表示されてるけど、全部無料で読めます。面白かった人だけ払ってねという、深夜の駅前でギター弾いてる兄ちゃん方式。


Amazon.co.jp

ここが無かったら、正直ネットで生きていこうと思わなかっただろうというくらいです。このリンク経由で買い物すると、私にお金が入る仕組み。

※追記:イケハヤ指数あたりの説明があまりに不十分過ぎたし、脱字も多かったので加筆しました。(4/26 04:00)