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2017年1月26日木曜日

死んだ”アカハラ”と鳥インフルエンザ

死んだ″アカハラ″

Twitterでこんなツイートが話題になっていました。ツイートされたのは、神戸大学大学院の木村幹教授。比較政治学者で、朝鮮半島・韓国の地域研究で著名な研究者ですが、ツイートの内容はご専門ではなく、大学の会議での一コマについてです。木村教授より許諾を頂きましたので、ツイートを引用してみましょう。
今日の会議から。100%実話。
事務方「ご報告しないといけない事が」
研究科長「急になんだ」
事務「アカハラです」
参加者A「まじか」
参加者B「勘弁してくれ」
事務方「アカハラが死んでいました」
研究科長「アカハラで死んだ!」
事務方「いえ、建物の裏でアカハラが死んでいました」
一同「鳥かよ!」

出典:木村教授のツイートより(※引用者一部改行)


大学の会議で事務方から「アカハラが死んだ」と報告され、学内で教職員による嫌がらせ行為「アカデミック・ハラスメント」で死者が出たかと騒然となったものの、死んだのは"野鳥の"アカハラだったという話です。アカハラは赤い腹部が特徴で、夏に北日本で繁殖し、冬は西日本、中国、台湾で越冬する渡り鳥です。

"鳥"のアカハラ(撮影:ISAKA Yoji ( cory )

さて、ここまでなら勘違い系の笑い話です。ところが、事務方が会議で報告した以上、それなりに対処が必要になるかもしれない事態ではあるのです。木村教授は事務方からの説明として、ツイートを続けています。

渡り鳥が死んでいる時には、鳥インフル等の可能性があるので、ちゃんと保健所に届けないといけない、というお話しでした。m(_ _)m

出典:木村教授のツイート

因みに事務方の説明によれば、渡り鳥の場合は1羽死んでいるだけでも通報する必要があり、それ以外の鳥の場合にも10羽死んでいる場合には通報する必要があるそうです(詳しくは保健所にご確認ください)。

出典:木村教授のツイート

法的な義務は無いものの、環境省や各都道府県では死亡している野鳥を発見した場合、最寄りの市町村や都道府県に通報することを呼び掛けています。都道府県によっては、施設管理者に対して、敷地内で死亡野鳥を確認した場合に通報を呼び掛けているところもあります。

このように死亡野鳥の通報を呼び掛けている理由に、ツイートにもあるように鳥インフルエンザがあります。


猛威を振るう高病原性鳥インフルエンザウイルス

国内の複数個所で高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された昨年の11月21日以降、環境省の野鳥に対する調査監視の対応レベルは、最高のレベル3となっています。今シーズン、環境省が確認した野鳥への高病原性鳥インフルエンザウイルスの発生(飼育鳥類、糞便、水検体含む)は、2017年1月25日17:30現在、18道府県186件に達しています。

各地で猛威を振るう鳥インフルエンザで、国内でも養鶏場で飼育されている鶏の殺処分が相次いでいますが、世界的にも約40か国で野鳥・家禽への感染が確認されており、世界保健機関(WHO)が警告している旨も報じられています。

[ジュネーブ 23日 ロイター]- 世界保健機関(WHO)は23日、野生の鳥や家禽(かきん)の鳥インフルエンザウイルスへの感染を注意深く観察し、人間に感染した場合は、迅速に報告するよう全ての加盟国に呼び掛けた。パンデミック(世界的大流行)の始まりを告げるシグナルである可能性があるという。

出典:鳥インフル、大流行のシグナルを見逃すな=WHO


しかし、なぜここまで鳥インフルエンザが警戒されているのでしょうか。もちろん、家禽としてのニワトリへの経済的なダメージも計り知れませんが、警戒されているのは人への感染です。

鳥インフルエンザウイルス自体は多くの水鳥が保菌しているものの、野鳥に対する病原性は低く、死に至る事例はそうありません。しかし、野鳥から人に飼われている家禽に感染するなど、感染を経るに従いウイルスが変異し、高い病原性を持つ高病原性鳥インフルエンザウイルスとなる場合があります。

鳥から人へ高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染は、鳥と生活環境が近いなどの濃密な接触がなければ起きないと言われており、さらに人から人に対しても容易に感染はしないと考えられています。しかし、「これまでの新型インフルエンザウイルスは、すべて鳥世界からヒト世界に侵入したウイルスから発生していると考えられています」(国立感染症研究所インフルエンザ・パンデミックQ&Aより)とされており、変異により新たな感染症として世界的大流行(パンデミック)を引き起こすことが懸念されています。

鳥インフルエンザウイルスの変異(環境省「高病原性鳥インフルエンザウイルスと野鳥について」より)

そして、上図のように飼育下にある家禽から野鳥への感染も考えられ、そこから広範囲にウイルスを拡大する恐れもあるため、死亡野鳥の調査監視が重要になってくるのです。


死亡野鳥を見つけたら

では最初に戻りましょう。死亡野鳥を見つけても、それが必ずしも高病原性鳥インフルエンザウイルスによる死とは言えません。野鳥も生き物ですから、様々な理由で死にます。1羽の死亡野鳥を一市民が発見しても騒ぐ必要性は薄く、環境省に確認したところ、死亡野鳥の通報はあくまで呼び掛けで、法的な義務ではないようです。しかし、一度に複数の死亡野鳥、あるいは同じ場所で連続して野鳥を確認した場合は、通報が推奨されています。

では、不審な死亡野鳥や複数の死亡野鳥を発見した場合はどうすればよいのでしょうか。環境省では死亡野鳥に近づかず、都道府県や市町村に通報することを呼びかけています。死亡野鳥の回収や消毒、ウイルスの検査も行政が行うので、発見した市民が野鳥になにかを行う必要はありません。そもそも、高病原性鳥インフルエンザウイルスによる死か否かに関わらず、他の病原体や寄生虫の危険もあるので、環境省では触らぬよう呼び掛けています。

環境省「死亡した野鳥を見つけたら」より

すでに国内の畜産業に大きな影響を及ぼしている高病原性鳥インフルエンザウイルスですが、特に行政や畜産業界でない我々も、このように感染拡大に留意することが出てきているようです。

※なお、神戸大学で見つかったアカハラが、高病原性鳥インフルエンザウイルスによる死亡と確認された訳ではありませんので、そこは注意してください。


【鳥インフルエンザについての情報サイト】

環境省:高病原性鳥インフルエンザに関する情報
農林水産省:鳥インフルエンザに関する情報
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構:高病原性鳥インフルエンザ

2016年12月2日金曜日

新語・流行語大賞。実際に流行ったのかグーグルに聞いてみる

今年も残すところあと1ヶ月。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今年も『「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞』が発表されました。年間大賞と大賞を含むトップ10は、次のとおり発表されています。

【年間大賞】神ってる
【トップ10】聖地巡礼
【トップ10】トランプ現象
【トップ10】ゲス不倫
【トップ10】マイナス金利
【トップ10】盛り土
【トップ10】保育園落ちた日本死ね
【トップ10】ポケモンGO
【トップ10】(僕の)アモーレ
【トップ10】PPAP
【選考委員特別賞】復興城主

ところが、このような選考結果に対し、ネット上では違和感を表明する人が相次いでいます。私自身も単に疎いだけかもしれませんが、大賞を獲った「神ってる」って言葉は初めて知りました。選考委員特別賞は熊本地震被災地への応援という意味があるので分かるのですが、トップ10の中には首を傾げるものが多いのではと感じます。

私個人の思い込みや、周囲の反応だけを拾っているせいなのかもしれませんが、ライター・評論家のさやわか氏も「「神ってる」流行語大賞受賞に違和感が噴出するワケ」という記事で次のように書かれています。


毎年、年末になると発表される「新語・流行語大賞」。年の瀬の多くのイベント事がそうであるように、この賞は「あったあった、こんな言葉」と1年を思い返せるところに楽しみがあるはずだ。
しかし世の評判を見ると、最近は「こんな言葉は流行っていなかった」「もっと他に流行った言葉があった」など、違和感を表明する人が増えている。なぜだろうか。


さやわか氏もご自身、そして世間に違和感が溢れていると考えており、広い範囲でこの違和感は共有されているようです。

しかしながら、一企業が独自の基準で審査員をつけて発表した「流行」にとやかく言っても、あまり意味は無いかもしれません。「違和感がある」と文句を言っても、「うちはそう思ってる」と返されたら、あとが続きません。しかし、この大賞がそれなりの権威を持って世の中を闊歩している以上、この違和感に毎年付き合わされるのには、正直ぼくは気持ちよくありません。

そこで、定量可能な指標で、本当に流行っていた言葉なのか? ということを検証してみたいと思います。その指標としては、グーグルで今年検索された回数を調べて、それがどれだけネット上で注目を集めていたのか判断してみましょう。すると、面白い結果が分かりました。



圧倒的なポケモンGO

グーグルで検索された単語の検索傾向については、グーグルトレンドで視覚化して表示できます。グーグルトレンドでは単語が検索された絶対数は分からないのですが、指定された期間で最も検索された週を100として相対的に表わしています。つまり、Aという単語が最も検索された週で100万回検索されたとすると、50万回検索された週は50と表されるのです。Aという単語が最も検索されたなら、その最も検索された週を基準として、他のBという単語も比較することも可能です。

この仕組を用いて、新語流行語大賞トップ10の言葉が、どれだけネット上で検索されたかを表してみましょう。すると、下のグラフのような結果になりました。

新語流行語大賞トップ10のグーグルトレンドでの推移

水色の線で現した「ポケモンGO」が最も検索された回数が多く、7月24日から30日の1週間で最も検索されています。

ところが、ここで問題が生じます。ポケモンGOが圧倒的過ぎて、他の単語より桁が2つも違うという事態になっていたのです。
「ポケモンGO」が最も検索された週を100とすると、ポケモンGOに次ぐ「PPAP」と「マイナス金利」が最高でも2しかなく、他の7単語に至っては”0”です。つまり、ポケモンGOの百分の一も検索されていない事になります。100倍以上差があると、ここで表示できる折れ線グラフでは判別が付きません。ポケモンGOの化物ぶりが窺えます。



ポケモンGO抜きにしてもゼロの「アモーレ」「トランプ現象」

これでは比較にならないので、ポケモンGOを抜きにして、次点のPPAPを100として基準点にしてみましょう。それが次のグラフです。

2016年新語・流行語大賞トップ10のグーグルトレンドでの推移(ポケモンGOと0項目除く)

だいぶ見やすくなりましたね。このグラフでは「PPAP」が最も検索された週が100に対し、「マイナス金利」が最も検索された週が76で、結構いい勝負です。ただ、この2つ以外はパッとせず、「保育園落ちた日本死ね」が一週だけ14になった他は、他の全単語は一桁台です。なお、このグラフの凡例に「(僕の)アモーレ」、「トランプ現象」がありませんが、両者についてはPPAPを基準にしても0でした。つまり、この両者はPPAPの百分の一以下、ポケモンGOの五千分の一以下の検索回数ということになります。本当に流行したんでしょうか。



今年話題になったあの映画を突っ込んでみると

ポケモンGOの圧倒的強さに他が霞む流行語となりましたが、他にも今年流行ったものがありましたよね。例えば、興行収入が194億円を突破し、邦画歴代2位になるとも言われている映画「君の名は。」は、まさに今年を代表する流行でしたね(新語流行語大賞トップ10になぜか入ってませんが)。「君の名は。」の他にも、例えば「トランプ現象」ではなく、単純に名前の「トランプ」と入力するとどうなるでしょうか。このような単語とトップ10のツートップを比較してみました。

「ポケモンGO」、「PPAP」、「トランプ」、「君の名は。」のグーグルトレンド推移

ああ、これでもポケモンGOには及びません……。「ポケモンGO」100に対し、「トランプ」が最大17、「君の名は。」が最大10となっています。「トランプ」「君の名は。」は、瞬間的に「ポケモンGO」を抜く事はあっても、ピークが遠く及んでいません。それだけポケモンGOに注目が集まっていたのと言えるかもしれません。


検索回数=流行ではないけれど……

しかしながら、これはあくまでグーグルの検索回数というだけで、イコール流行とは完全に結びつかないのも事実です。例えば、ポケモンGOはゲームですので、ポケモンが出るポイント探しに同じ人が何回も頻繁に検索することが考えられます。しかし、それを考慮しても、莫大な数のポケモンGO情報が求められていたのは事実で、検索回数は他を圧倒しています。そして、ポケモンGOの五千分の一に満たない検索回数の言葉って、少なくともネット上では流行語とは言えないのかなあ、と思います。まあ、世間もネットも大して乖離が無くなってきた時勢ではありますが。

なお、グーグルは12月中旬に「Year in Search: 検索で振り返る」を発表しています。まだ今年は発表になっていませんが、興味のある方は、真のグーグル検索回数1位がなにか、チェックしてみてもいいのではないでしょうか?

なお、本記事で用いたグーグルトレンドの検索条件は次のとおりです。
国:日本
期間:2016年
カテゴリ:すべてのカテゴリ
検索対象:ウェブ検索

※記事初出時、「(僕の)アモーレ」、「トランプ現象」の検索数について、「ポケモンGOの一万分の一以下」としましたが、「五千分の一以下」に訂正致しました。

2016年6月1日水曜日

第三者の善意と企業の社会的信用を用いて、人の安否をダシに宣伝する事の是非

6月1日0時。株式会社イード【6038】が運営するゲームニュースサイト「インサイド」に、編集部名義による一つの告知が載りました。現在は文面が変わっていますので、以下にキャッシュのスクリーンショットを貼ります。

【お知らせ】フリーライター内川たまき氏と連絡可能な方を探しています(※一部伏せ字加工)

自社サイトに掲載していたライターと連絡が取れなくなり、連絡取れる方を探しているという告知です。Twitterのインサイド公式アカウントでもツイートが行われ(現在は削除)、それには「【お知らせ】フリーライター内川たまき氏と連絡可能な方を探しています」という告知タイトルと、URLだけしか書かれていません。告知本文を読むと、そのライターが書いたとされる記事をプッシュする感がありありと見て取れ、この告知を訝しむ声も見られましたが、これが架空と断じれる情報は公式に一切ありませんでした。

ところがこれ、騒動が広がったためか、'''全くの架空であり、ライターは元から存在せず、宣伝目的の告知だった'''事をインサイド公式アカウントが明らかにし、謝罪しました。


【お詫び】先ほど公開いたしました「フリーライター内川たまき氏と連絡可能な方を探しています」は『(削除)』の企画記事として弊誌が独自に記事を作成したものです。一部の読者様に誤解を与え、ご不快に思われる表現がありましたことをお詫び申し上げます。
インサイド公式Twitterアカウント


企業の公式アカウントが連絡の取れない関係者の情報提供をSNSで求めた場合、消息不明という人の安否への心配と、社会的信用を持つ企業(それも上場)による情報発信なら、精査せずに情報を拡散してしまう事もあるでしょう。

記事のような形態をとる宣伝という手法は、紛らわしいという問題はありますが、広く行われている手法です。新聞でも見ますし、ネットでもあります。しかし、それには宣伝あるいは広告である事が明示されています。例えば、Yahoo!ニュースのスマホアプリでYahoo!ニュースを閲覧した場合、下のスクリーンショットのようにどれが広告か分かるようになっています。

Yahoo!ニュース上の広告。上から3番目が広告だと分かる

しかし、今回の例では公式サイト・SNSでの告知の双方で宣伝・架空である旨の表記無く、それを社会的信用のあるニュースサイトが人の安否をネタにして掲載し、第三者の善意を悪用したことが問題です。

SNSの普及により、個人による情報拡散の敷居も下がりましたが、行方不明者の情報というのはセンシティブなものです。たまに、SNSで行方不明者の情報提供を呼びかける個人アカウントを見かける事があります。しかし、個人アカウントが行方不明者の情報を求めていても、その個人と行方不明者の関係をSNS上で立証するのは困難です。そして、ストーカーが関係者を装って情報を集めている可能性もあり、慎重な人は信用が無い個人アカウントへの協力は控えるでしょう。

ところが、発信元やアカウントに社会的信用がある場合、話は違ってきます。告知を見た人は、発信者の社会的信用に応じて、その情報の信用性を見積もる事が出来るため、情報の拡散にリスクが無いと判断することになります。今回は、上場企業が運営するニュースサイトの編集部による告知です。おまけに、これを創作とする表示は一切ありません。社会的信用のある存在が、ネットで嘘か真か分からない情報を発信し始めたら、ネットでの情報の信頼性が揺らぐ恐れすらあります。

社会的信用を持つ企業が、ネットでこのような宣伝行為に及ぶこと。それ自体がネット情報への信頼性の毀損に繋がりかねない事だと思うのですが、いかがでしょうか?

今回、インサイドが社会的信用を投げ打ってまで偽告知を用いた宣伝に出たのか理解に苦しむ所があるのですが、ネット情報への信頼性に対する自爆テロでもあるので、少しは考えて欲しいものです。


※本記事では、インサイドが宣伝しようとした記事・ゲームの名称・リンクにつきましては、炎上商法の可能性を考え、一切を削除してあります。







怒りの余り、深夜に記事をアップしてしまいましたが、まだ艦これ春イベントのE7攻略中です。あと6時間でイベントが終了してしまいますが、これでIowa手に入らなかったら、インサイド絶対に許さん。

2016年1月19日火曜日

#めざましテレビ タグに寄せられたSMAP会見放送へのツイート

ブログの方ではあけましておめでとうございます。dragonerです。

ところで、昨夜は中々コワイもの見せられましたね。そうです、SMAPのアレです。4人の複雑な表情が生放送で全国配信(一部地域除く)される社会の恐ろしさに、ぼくの引きこもり癖も悪化しそうです。

そんな至高の恐怖体験に震えているぼくをヨソに、怖いもの知らずな試みをTwitterで見かけてしまいました。


SMAP日本中引廻を放映した、フジのめざましテレビアカウントです。さすがにこれってマッチポンプに過ぎるのではないかとも思いましたが、その怖いもの知らずな姿勢に痺れます。我々常人には及ぶべくもない卓越した感性です。

案の定、#めざましテレビタグ には心温まるを超えて火傷しそうなツイートの数々が寄せられていますが、めざましテレビ放映時にはどのくらい紹介されたのでしょうか。

その前に、全体としてどのくらいツイートが寄せられたのでしょうか。会見への感想やSMAPへのメッセージを募集する、めざましテレビアカウントのツイートから、ツイートが紹介される19日6時18分(紹介するツイートを選ぶ時間を考慮し集計は6時まで)まで、いくつ#めざましテレビタグでつぶやかれたか、抽出の上カウントしてみました。

結果、8093のツイートを確認しました。Twitterの全ツイート拾いきれているかは怪しいので、検証用にツイート内容と日時を記したGoogleスプレッドシートのリンクを貼っておきます。暇な人はカウントでもしてみてください。

この約8000ツイートの内容ですが、さすがに数が多いので単語でツイートのポジティブ・ネガティブを自動分類しようとしたのですが、自分の技術では精度が悪かったので断念。目視でザーッとアバウトに見る方向にしましたが、ツイート募集開始から間もない頃は賛否両論あったものの、日付が変わってからはほとんど番組批判(SMAP批判ではない)か意味のないツイートになった感じです。この辺は個人の主観になるので、気になる方は先ほどのリンクで確認してください。アバウトで申し訳ないですね。

さて、実際にはどのようなツイートが紹介されたでしょうか。

番組中の6時18分頃から紹介されたツイートは合計7。ツイートは肯定否定と一概に割り切れるものではありませんが、番組では肯定的と見る意見として4件、一方それとは違うものとして3件を紹介したという感じです。

地上波で流すツイート紹介としては、こんなもんじゃないでしょうか。そもそも調査の類ではなく、意見・感想募集なんですから、どのツイートを取り上げるかは番組の勝手です。多数の批判的意見がスルーされたネット民涙目、といういつものパターンでしょうか。



と思いきや、番組内で肯定的と紹介されたツイートに罠が。ちょっと見てみましょう。


アカン。縦読みで「はやく逃ゲて!!!!!」やこれ。ホントにフジテレビ気づかんかったのか。これをセレクトした担当者の今後が気になります。

大規模炎上だと一見肯定的に見える意見でも危険なネタが侵入して危険、という前例になりそうですね。転んでもタダでは起きないネット民、みたいな結果となりました。

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2015年12月21日月曜日

新聞の軽減税率適用はどれだけ報じられたか

2017年4月に10%に上がる消費税率について、8%のまま据え置かれる軽減税率の導入が決まったことは、ご存じの方も多いと思います。

その軽減税率の適用対象となる物品については、外食を除く食料品、そして一定の条件を満たした新聞を対象にすると報じられています。食料品の適用対象を巡っては、与党内で生鮮食料品までとか、いや加工食品を含めるべきだといった論争があった事は報じられています。それに対し、新聞への軽減税率適用は、突然湧き出てきた感がありました。

そう感じたのは私だけでもないようで、新聞への軽減税率適用については、元毎日新聞記者の佐々木俊尚氏が「新聞がまったく報じない」とTwitterに書き込んでいました。そこに朝日新聞の現役記者が「「まったく報じない」とデマを言われるのはちょっと…」と反論する一コマもありました。(やりとりは下記togetterまとめで)

togetter:新聞の軽減税率対象に佐々木俊尚さん「新聞がまったく報じない」→朝日新聞記者「デマを言われるのはちょっと…」

このまとめで佐々木氏は朝日新聞記事のデータベース検索結果を示し、新聞への軽減税率適用を巡る記事は希少だとしています。しかしながら、現役記者の方の反論の通り、過去に小さくとも報じられているのもまた事実で、新聞への軽減税率適用の記事が食料品のそれと、どれだけ報じ方に違いがあったのか、具体的な数量比較が無いので分かりません。

そこで今回は、2015年の新聞記事の中から、どのくらい新聞の軽減税率適用が報じられたかを数字で見てみたいと思います。佐々木氏が行ったようにデータベース検索を利用し、2015年の1月1日から12月17日までの間、朝日新聞と読売新聞の2紙で軽減税率について、食品や新聞といった対象が、どれだけ報じられていたかを調べてみました。

検索ワードは「軽減税率」、「軽減税率 食品」、「軽減税率 新聞」としましたが、「軽減税率 新聞」の検索結果には「◯◯新聞が行った軽減税率についての世論調査~」といった、新聞への軽減税率適用と関係ない記事が多数見られたため、そのような記事は除外しています。すると、下記のような検索結果となりました。



 「軽減税率」:朝日279、読売437
 「軽減税率」+「食品」:朝日88、読売231
 「軽減税率」+「新聞」:朝日39(除外12)、読売70(除外18)


朝日新聞、読売新聞の軽減税率関連記事数比較

結果からすると、軽減税率に関する記事の中でも、新聞を扱ったものは食品と比べて少ないのは間違い無さそうです。

新聞業界からすれば、「新聞の軽減税率も報じている」とポジショントークを主張するのは当然とは思いますが、食品と新聞の2つしか適用対象がないにも関わらず、食品と扱いに大きな差があるのを見てしまうと、そう言われてもなあ……という気分になります。

新聞や出版物への軽減税率を導入している国は、世界でも少なくありません。ただ、莫大な発行部数を誇る大新聞社が強い日本の新聞業界に、経営体力の弱い少部数の地域新聞社が主流の欧米の事例を当てはめるのもどうかと思いますし、重要な政策ほど「国民的議論を」と主張する新聞が、国民的議論も無しに自分たちが軽減税率対象となるのは当然という態度なのも素直に納得は出来ません。

2%の差に過ぎませんが、新聞業界にとって、高くつく2%になりそうな気がするのは思い過ごしでしょうか。

2015年11月3日火曜日

やり返されたら困る攻撃をして、相手にやり返されてしまった顛末

なんか色々ややこしい事態になっているようです。今回は個人情報が絡むだけに、直接的なリンクや名前の表記は避けたいと思います。

シリアの内戦と難民問題が世界的課題になっている中、日本の漫画家が難民の少女を中傷する絵をフェイスブック上にアップしました。これには非難が殺到し、国際的にも報じられています。


シリア難民の6歳少女を撮影した写真をもとに、日本人の右派漫画家がフェイスブックに掲載した上のイラストが、インターネットで強く批判され、議論になっている。



この絵自体は批判を受けて作者が削除したものの、以降もSNS上でくすぶり続けていました。

そんな中、ある市民団体に所属するツイッターアカウントが、問題の漫画家の絵を評価するフェイスブックアカウント337人の名前、プロフィールURL、居住地、出身校、勤務先のリストを作成し、公開すると表明し、実際に多数が閲覧出来る環境でリストが公開されました。

で、このような攻撃手法ですけども、「公開情報だからそれを公開することは問題ない」と思われるかもしれませんが、'''実は限りなくブラックです'''。というのも、公開されている電話帳の電話番号をパソコン通信の掲示板に転載した行為が、プライバシー侵害に当たると裁判所が認定した判例があるのです(掲示板プライバシー侵害事件(平成11年6月23日神戸地裁判決))。今回の行為も、かなり際どいとこだと思います。

さて、漫画家の絵や表現に批判はあれども、さすがに賛同する人間のプライバシーまで暴き立てて晒すというのはどうなんでしょうか。その行動についてはやはり批判を受けましたが、それからすぐに『報復』も受けました。同じことをやられたんですね。

問題のリストを作成・公開したアカウントが、SNS上の断片情報から本名・勤め先を暴かれました。そして、その勤め先が現在整備が進んでいるマイナンバーのセキュリティを官公庁向けにも提供するセキュリティ企業だったことから、個人情報を保護する企業の人間が個人情報の暴露に積極的に関わるってどうなのかと大批判を受け、ネットの炎上事案となりました。

リスト公開アカウントは今は削除されておりますが、会社にも騒動が伝わっているのは確実で、休暇明けになんらかの対応が取られるのではないかと思われます。

プライバシーの暴露に対し、同じ暴露でやり返すのもアウトですけども、やはり最初にやったという既成事実と口実を相手に与えてしまったのはいかにも悪手だったと言わざるを得ません。「やったら相手が困る」攻撃というのは、「やられたらこっちも困る」攻撃であることが多いのですが、それを考えずに社会的地位にある人間がやらかしてしまうのはなあ……と少々呆れ気味でもあります。

「やられたら困る攻撃法をしてしまう」事例は、人類の歴史を振り返れば、様々なところで見られました。特に国民国家が成立する前、傭兵や戦士階級による戦争が主だった時代は戦争をコントロールする権力が弱かったため、悲惨な結果となることもありました。強力な国民国家の出現と、国家・多国間の協定によって「やってはいけないこと」のルールが作られ、際限無い破壊に一定の歯止めが効くようになったのは19世紀後半から20世紀に入ってのことです(戦争のルールについては以前の記事にて)。そういう意味で、ネットというのはまだ権力による統治の行き届いていないフィールドなのかもしれません。

米共和党のトランプ大統領候補も、対立候補の電話番号暴露攻撃を行っていましたが、最近はそういう過激路線にも冷ややかな目が向けられるようになったか、支持率2位に転落してしまいました(共和党支持率トップ争い、神経外科医vs不動産王)。これだけが支持率低下の理由ではないとはいえ、プライバシー暴露はマジョリティーの目にも良い印象を与えない例、なのかもしれません。

しかし、こういう実名制SNSの嫌なとこが如実に出た炎上です。実名制だから炎上し難いという話も某社様から言われてたりしたんですが、フタを開けると炎上の宝庫ですね。フェイスブックのこういう騒動がイヤなので、「氏名:dragoner」、「通っていた学校:金正日政治軍事大学」のような無茶苦茶なプロフィールでも、心よく受け入れてくれるGoogle+がぼくは大好きです。


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2015年8月18日火曜日

誰が「召集拒否家族」のまとめを消させたか? という話

お久しぶりです、というか最近いつも「おひさしぶり」が最初に来るのが板についてきたdragonerです。

コミケも終わり、色々なお仕事も落ち着いてきたので、さあそろそろブログでも書くかあ〜、その前に艦これ夏イベやろうと思ったのもつかの間。旗艦PCのBIOSが吹っ飛んで、重量10キロ超の漬物石と成り果てましたので涙が止まりません。そういう時はツイッターに逃避です。

で、8月中旬は終戦の月。やはり戦争関係のツイートが多く見られます。そして数日前に話題になったのが、「召集令状を無視してバックれた家族の話」(リンク先すでに無し)としてtogetterにまとめられた一連のツイートです。召集令状2通来たけど家族ぐるみでバックれて蒸発し、終戦までやり過ごした家族の話です。

その一連のツイートがRTされてきた時、「おーすげー(小学生並の感想)」となったので、フォロワーにも伝えようとRTするか一瞬考えましたが、「キレイ過ぎて確証持てない話だなあ……。だいいち、召集拒否でバックれて助かったなんてストーリー、いかにもネトウヨが叩きそうだし……」と思い直して止めました。

まあ、これで終わった話かと持ったんですが、PC不調で泣きながらケーブルが正しく刺さっているか確認している時に、件のまとめが消えたという話がTLに登っていました。作家の瀬川深先生や、他の方がツイートしてるのがRTされてきたのですね。



うおー、なんてことや。と以下のツイート。




上のツイートでは「叩く奴」が誰かは書いてませんが、いかにもネトウヨに叩かれそうな話だと思っていたので、叩かれて引っ込まざるを得なくなったのかな? と思ってました。すでにまとめは無く、発言主は鍵をかけて見れません。この時、PCで不調に嗚咽にむせびながらCMOSクリアボタンを押しまくってたので、ツイッター以外から情報集めていませんでした。

ところが、正教会司祭(本当)の涼月氏から、どうも様子が違うと以下のリプライを頂きました。




ん、ネトウヨだけの攻撃とは違う? どういうことだろう? と気になったのですが、すでに夜も遅いのでこの情報収集は後にして、まずはネットから秋葉原ショップまで、どのPCパーツを選び、どこで安く買えるかを鼻水をぐずりながら何時間も情報収集・シミュレーションした結果、面倒くさくなってアマゾンに全部頼んだ頃には夜が明けてました。今日は朝から用があるのに。

寝不足による睡魔と戦いつつ、電車の中でさらに情報を調べていると、瀬川深先生が荒ぶっておられる。



おお、なんというジゴクか! 猫の死体を詰め込んだ奴は誰だ!?
ところが、まとめ主によると、削除の原因は大量のリプライが発言主に来たためと言っています。



しかし、すでに荒ぶっている一部の勢いは止まらない。大量のリプライが来たことが原因と説明されても、こういうことらしい。



なるほど。リプライが大量に押し寄せることも「圧力」となると、猫の死体を突っ込みに来た奴らは大勢いるようだ。しかし、ご自分では調べる気がナッシングのようなので、ぼくが代わりに調べてみた。

まず、ツイッター検索で演算子を色々いじりながら、最も多くのツイートを回収出来る方法を確認したところ、単純に「発言主のアカウント」でツイート検索かけた結果が引用RT含めて多くのツイートを抽出出来る事を確認。

そこで、発言主の一連のツイート後、最初に来たと思われる感想リプライの日付である8月15日23時28分から、8月17日17時00分に「”糞リプが来まくって支障が出るレベルなので当面鍵閉めます”とのこと」というツイートの連絡が来た時間まで、発言主に来た感想リプライを集計してみました。

集計ルールとしては先に示した方法、「発言主のアカウント」でツイート検索をかけて、表示されたものの中から、コミケの話等、一連のツイートと関係無いものを抜いた。

ここで集めたツイートを、以下の基準で5つに分類しました。

  1. 『賞賛』:「すごい!」「素晴らしい!」のような好意的リプライ・引用リプ
  2. 『批判』:批判的なリプライ
  3. 『疑問』:一連のツイートを事実かと疑うもの。前後の文脈から判断して、「うーんこの()」等のリプもここに。
  4. 『bot』:バズってるツイートを紹介するbot、自動的にツイートされるもの等
  5. 『中性』:賞賛でも批判でもない、「うちの家族も戦争で〜」的な自分語り等

分類にはどうしても自分の主観が入るため、第三者が検証出来るようにツイート内容と分類のスプレッドシートを公開するので、物好きは見ておいて下さい。『中性』は無記入マスが該当です。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1PkQ86O-OLU0tdZrNH_EEyBPstJDbuhM0BpoWYOzCWgs/edit?usp=sharing

集計の結果は、集計対象となったツイート数は156。ユニークアカウント数は138となった。ごく平均的なツイッタラーだと、2日で100以上も通知が来たら驚くだろう。この点はまとめ主の証言と一致する。で、その内容はどうか。ネトウヨの罵倒リプだらけだろうか?



自分が見た限り、罵倒や誹謗中傷に値するようなツイートは確認できなかった。賞賛と中性とbotがほぼ等しく、批判的なものは少なく、その中でも厳しい口調で批判しているのもなかった。もちろん、Twitterの検索はいまいち信頼性が薄い実感があるし、無料で表示されるのはストリームの一部という噂もあり、表示されなかったものの中に暴言が含まれていた可能性は否定出来ない。また、これを調べたのが8月18日の16時以降なので、騒動が大きくなったのを見て、攻撃者がリプライを消した可能性もある。

ただ、攻撃的なリプライが多数あったとしても、その痕跡が欠片も見当たらないというのはどう考えても不自然で、元から攻撃的なリプライは少なかったのではないか。問題は「糞リプだ」。

botに分類されたリプライは、全て糞リプと言える。全くの意味性を持たない、機械的で同じ内容の引用ツイートばかりだ。また、中性にも「うちは◯◯でした」というリプが少なからず見られるが、これが大量に押し寄せてきた時を想像して欲しい。聞いてもないのに聞かされる身にはたまらない。また、発言主に好意的であろう賞賛も正直一面的だ。ひとつふたつのリプライには気持ちよく応じられても、30以上来ると……。

というわけで、自分の調べた結果は、まとめ主の説明を補強する内容となった。批判的なものは少数しか発見出来ず、それもそこまで攻撃的でない。過去、ツイートする度に粘着してくるネトウヨから罵倒リプが飛んできた経験がある自分基準なので、「攻撃的」の敷居が高いかもしれませんが、そこが気になる方はスプレッドシート読んで確認して下さい。まあ、どっちにしろ批判的なものの母数は少なかったので結果は変わらんと思いますが。

さて、この騒動をネトウヨ愛国者による嫌がらせと勘違いした瀬川先生。このような嫌がらせ蔓延る日本では、将来は「自宅ポストに猫の死体が詰め込まれる」とまで想像たくましくした訳ですが、自分が見た限りではネトウヨ愛国者的な攻撃的リプライは無かったです。というか、”反戦”、”反安倍”と言った方々が糞リプに加わっているのが見られ(ぶっちゃけ右より多く)、そちらの方面の方々と普段から仲良くツイートされている瀬川先生におかれましては、その方面の方々に猫の死体を他人のポストに入れないよう、強く戒めて欲しいものです。

なお、キーパーソンであり事情の一端を発言主に確認しているまとめ主は、この騒動が変な形ばかりで拡散される事に少々呆れ気味のようです。






「ある層の人々」、厄介ですね。「軍事に卓抜した知識を持つ人々」みたいな野蛮人種じゃないのは文脈から明らかなんですが、自分勝手に騒ぐひどい人たちがいるんですね……。

しかし、自分も他人の不幸を自身の政治的主張のダシに使ってしまった過去はあり、こういうのは今後も律していかねば、と強く思いました(小学生並の感想)。


ところで、これをずっとMacbookで書いていたので、PCは漬物石のまま。これから号泣しながら組み立てますので誰か助けて(完)。


【助ける】



【直に救援できるリスト】
http://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/3G7TL3SPFM0YR/ref=cm_sw_r_tw_ws_yXZ0vbRDBBDHJ 

2015年4月25日土曜日

「人はネットだけで生きていけるか」を2年ほどやってみた結果

はい、こんにちは。dragonerです。テキトーに生きてます(前振り)。

Twitter見ている方には既報ですが、まずはご報告。

ブログ記事を寄稿しているYahoo!ニュース 個人にて、「戦艦武蔵発見で考える海没遺骨」が月間MVAを受賞しました。やったねたえちゃん!

で、その受賞知らされる前、こんなんツイートしてました。


これにプラスMVA副賞の10万円なので、さらに収入増えたよ! やったね!

前に相互フォロー某氏と飲んだ時、「ところで、dragonerさんって今ナニやって生活してんですか?」と聞かれたくらいフォロワーにとっても職業不詳おじさんで、正直自分でも何やってるのか説明つかない状況でしたが、なんとか2年で軌道に乗れた感じです。

仮にもリーマン生活を送っていた人間が、何を血迷ってネットから収入を得て生きる冥府魔道へと足を踏み入れたのか。決定に至るまでの皮算用とその経過、そして現時点までの結果をまとめてみた。


そもそもの経緯


そもそもの経緯はこんな感じである。





辞めよう(決意)



よし、大学院入りなおして出直そう(安易な学歴ロンダ)



2012年終わり頃「大学院、もうすぐ修了しちゃうね」



ちょっとだけ就活する



国家公務員とかNGOとかの面接落ちた。もう面接したくない。



_人人人人人人人_
>  修了(終了) <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


アカン。大学追い出された。とても気に入っていたのに。

ここに書いた経緯は色々差っ引いたり、脚色もあったりするが、少なくとも嘘は言っていない。

さて、これからどうやって生きていこうかと、あれこれ考え始めたのは2013年始めの頃。

まずは収入をどうするかという最優先事項。

会社は辞めたし、失業保険は既に切れていたが、その時点でAmazonアソシエイト・プログラムからのアマゾンギフトカード収入が、月々ハードカバー数冊買える程度入っていた。これをちょっと研究して、ネットのマネタイズ手法色々組み合わせれば、なんとかなるんじゃね? という実に安易な考えが浮かんだ。

悪名高きユーチューバーのキャッチコピー、「好きなことで、生きていく」は当時まだ無かったが、ネットでそこそこ好きなことやりつつ、ゆるく生きていこうと、このあたりでゆるく決意した。


自分の"武器"はなんだ?

決意したあたりで、ネットにおける自分の価値、あるいは"武器"を整理した。

自分が"dragoner"の固定ハンドルネームを名乗り始めたのは2008年。軍事系ブログを立ちあげ、まあそこそこの規模があったが、サボりがちで閲覧数もそんなに無い。

Twitterは2010年1月に始めてから、2013年3月31日でフォロワー数5622。少なくはないが、ジャスティン・ビーバーみたいにクソみたいな事呟いただけで10万Favくるようなパワーは無い。当面はフォロワー数が一つの指標になるだろうと考えた。

ブログとTwitter、この2つだけ。さて、この2つでどうやってネットで生きていくか。


先行者(非ロボット)たち

まず、ドロップアウトというか脱サラして別の道を進まれている先人について考えてみた。まず思い浮かんだのが……


イケダハヤト師

正直、この人の人格に対する敬意は一切無いんだけど、ネットで食っていくという点において、やはり避けては通れない人なのも事実。

ぶっちゃけこの人、特にキレ味のある文章や論評書ける人じゃないし、専門と言える分野も無い人だけど、なんでもかんでも頭突っ込んで書く姿勢は、ネット界の大川隆法霊言本と言っても過言ではなく、その1点においても賞賛に値すると思いますよ。

でも、真似は出来ないし、したくない。じゃあどうするか。

とりあえず、イケハヤ師に倣う点はコンテンツ基本無料の点のみとし、他は自分の効率性を測るためのベンチマークとした。

と言うのも、イケハヤ師は収入などのデータを公開している数少ない人なので、自分の収入と比較する事が出来るし、イケハヤ師の仕事ぶりはネットで閲覧、計量可能だ。つまり、「イケハヤ師と同等の収入があると仮定し、イケハヤ師の労力のX分の1でそれを得たか?」という指標にする。ざっくり言うと、イケハヤ師がぼくの3倍稼いでても、ぼくの10倍の労力を費やしているのなら、Xは3以上になる。

このXをイケハヤ指数として、最低でも3以上を目標にしようと決めた。イケハヤ師の仕事量を一々計算はしないが、おおむねこの程度書いているから労力はこのくらいで、と相当ざっくりとした基準で推計している。この指数が下がったら、あー俺才能無いというか、何か間違ってるから方法変えよう、という後ろ向きな基準として設定。

これが1下回ったらデッドエンドですよ。だって、ネット中の人がイケハヤ師の真似して同じ労力注ぎ込んでネット活動始めたら、あっという間にイケハヤ師埋没してしまいますよ。だから効率はイケハヤ師に比して、高めに設定しなければならない。


小泉悠氏

お互いに面識ありますが、ここで名前が挙がっているのをご本人が見たら、「うわぁ……」とイヤな顔される事は想像に難くなく、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。テレビでもお馴染みの、ロシアを中心とする軍事問題の専門家の小泉悠氏です。

クリミア危機以降、テレビへの露出も増えられましたが、氏は脱サラ後に外務省の専門分析員として勤務し、ロシアへの研究者派遣を経て、現在は研究所に勤務しつつ、著述活動も行われています。

軍事関連とはいえ、向こうはプロ研究者、こっちはアマチュアなので、そもそも同じ土俵ですらないのだが、リーマン生活から抜けて専門性で売るとは何か?と、氏の活動から考えていた。言うまでもなく、氏の専門はロシアであり、クリミア危機などでホットな領域となった今、活躍の場を拡げられている。

専門性で躍進する氏を見てから、自分を省みる。


一口に軍事マニアと言っても、軍事は人類の歴史分の厚みがあるので、その実態は人によりまるで異なる。特定国に詳しい人もいれば、現代より歴史の方が好きな人、装備ヲタもいれば、サバイバルゲーム好きもいるし、本当に傭兵に行っちゃう肉体派もいる。

その実、自分はどうかというと、特に軍事で詳しい領域というものが無い事に気づいた。とにかく手当たり次第、興味が湧いたものから手を付けては飽きるを繰り返していたので、専門性が無い。

ではどうするか? 結論から言うと、専門性を捨てる事にした。

念の為に言うと、これは「軍事」という自分の領域を諦める事ではない。「軍事」の中の細分化された専門性を捨て、軍事一般の事象をマスを相手にして書こうと考えた。

どんな分野にでも言える事だけど、その分野の専門家がいる階層と、世間一般の階層の常識は異なる。歴史学なんかが良い例で、史学では織田信長の先進性はとっくに否定されているが、未だに世間では信長の先進性を説く人で溢れている。この階層間のギャップを利用する事にし、マニア層ではなくマスをターゲットにして、平易に軍事問題を説くことにした。


この2人の先人を参考に(n数がとっても少ない気がするが)、自分の取るべき方向性を決定した。

当面の方針

さて、ネットで人は生きていけるか、というチャレンジを始める準備は出来た。

このチャレンジをするにあたり、以下の方針を立てた。

無理に数はこなさない

イケハヤ師のように、とにかく数勝負もあるかもしれないが、自分には無理だし、下手に数をこなすと飽きられる恐れがあると思った。

数こなす分をインプットに投じて、アウトプットの質を上げていく事にした。幸い、インプットはそれなりに面白い。イケハヤ指数を高める事は、QOLを高める事でもある。自分で自分の仕事をつまらなくするのは良くない。

読者から金は取らない。基本無料

コンテンツデフレと言われて久しいが、ネットではコンテンツ無料が当たり前の状況になっている。この風潮に関しては批判も多いし歪だと思うが、現に市場がそうなっている以上、真っ向とこれに立ち向かうのは下策。こちらが環境に適応しなければ生き残れない。対価を読者から取るのは無し。

古くからあるネットでのマネタイズ手法として、有料メールマガジン配信がある。有料会員制サイトもこの括りに入れていいと思うけど、このような定期的に自分からコンテンツを作り出し、配信するのは自分には無理だと最初から決めていたし、今でもそう思っている。無料・有料の差別化が難しい上、価値のあるものが出来たとしても、それは極少数にしか配信されず、結果として自分へのリターンは少なくなるからだ。全面的にオープンでいい。

そもそも、Twitterのフォロワーやブログの読者が自分に求めているものはなんだ? 結論から言うと、それはただの暇つぶしでしかない。その暇つぶしが、読者に百円でも負担を強いて良いのか? 良くないに決まってる。

そういうわけで、アフィリエイトや広告等は貼るが、コンテンツそのものには課金一切無しという形にした。ここはイケハヤ師や2chまとめブログに倣った。なお、同人誌のようなコストかかるものは別。そもそも同人誌はマス向けに書いているものじゃないので……。

軍事中心にいくが専門的に深めずマスを狙う

先に書いた通りの方針だが、カバーする範囲は広く浅くを心がけ、引き出しを多くする事にした。その方が、時事に関連付けて記事化するのが容易だと言う事は後々やってみて分かったので、正解だったと思う。

また、文章だけでなく、YouTubeやニコ動などの映像系、あるいは他のSNSも利用して、その方面のユーザーを取り込む事にした。

出版系は当面無し

軍事評論家の故江畑謙介氏(愛称:エバケン)は、潜水艦設計したくて某重工メーカーに就職したけど、潜水艦関係の部署に入れなかったので退職。大学院に入り直し、院在籍中は軍事雑誌に投稿して学費を稼いでたという伝説のある人物だが、果たして今これと同じ事が自分に出来るのか、という問題があった。

少なくとも、自分にエバケンの才は無い。おまけに現在の出版不況は軍事雑誌とて例外では無く、年々小さくなるパイに新参として入っても、色々と面倒くさいだろうという事で封印。実は軍事系雑誌って、記事募集してるとこもあったりするんですけど、当面は様子見で、自分から打って出るのは控えよう。


まとめブログはやらない

YouTubeやニコ動、SNS等配信手段は多様化するが、その一方で禁止事項として。

ネットで食っていく手段の一つとして、2chまとめブログという選択肢もあるだろうけど、以下の理由により却下。

■ネガティブイメージ大きすぎ

説明の必要は無いでしょう。大多数のまとめ管理人と同じように匿名でやればいいのかもしれないけど、それだと1からのスタートとなり、泡沫まとめブログとなって終わるだけ。

■物量戦挑んでも負ける

まとめブログはとにかくスピードと量勝負だけど、明らかに分業、組織的にやっていると思しきまとめブログすらある状況で、今から個人が始めたところで追いつくのは無理。市況かぶ全力2階建のような、独特のセンスを持つニッチ分野のまとめブログなら勝機はあるかもしれないが、それが自分に出来るとも思わない。

■後がない

まとめブログみたいな真っ黒寄りのグレーなコンテンツが、今後も長く生き残れるはずなかろうて。今後の見通しが無いならリスクの塊。


2年経過して

まあ、なんとか生きてます。色々模索していた時もありましたが、落ち着いてきました。

ユーチューバーみたいに自分を売る事もせず、2chまとめブログにも手を染めず、半匿名東方アイコンのままでネットで生活出来たのは、上出来かなと思っています。

独身で親同居なのが大きいのは事実ですが、2014年には2回、2週間ほど海外旅行にも行けたし、犬を飼い始めるくらいには時間的・金銭的余裕も出来たなあ、と。ワーキング・プアと言うには全然働いてないので、QOL高く生きられていると思っています。

まあ、生存者バイアスなのは間違いないですが。高齢になったらヤバいけど、肉体使わない分だけ対応は楽だと思いたい。


これからの課題

「いつまでも あると思うな ネットのカネ」

Amazonアソシエイト・プログラム様には何度も紹介料改定という名の料率下げをして頂いたため、「お、だいぶ売上上がったな」 → 「また値切られたよ……」が繰り返されることとなった。TwitterでウザったくAmazon商品紹介ツイートしてゴメンナサイ。

また、幸運にもオーサーに入れたもらったYahoo!ニュース個人。今年に入り、料率上げその他インセンティブ制度と随分羽振りが良くなったが、景況に左右される広告収入ベースのままだといつどうなるか分かったもんじゃない。

とりあえずは、現在のネットをベーシック・インカムとして固めつつ、さらに別の道を模索して種をまく日々。果たして明日はどっちだ。


おわりに

SNS見渡すと、会社つらい辞めたい言ってる人ばかりなので、本当に壊れてしまいそうなら、こういう道もあるかとは思うんですがどうでしょうね。

自分の話は生存者バイアスかかってるのは確実だし、このテキストはそもそもの始まりと結果だけで、経過と具体的な施策について一切書いてないので、他人にお勧めはしませんが。

結論としては、「好きなことで、生きていく」のはそれなりにしんどいし、そこで折られたら再起不能になるかもしれないけど、「そこそこ好きなことで、ゆるく生きる」のはなんとかなりました。

【関連】

note:「Yahoo!ニュース個人オーサーカンファレンスについてのあれこれ」 

昨年末のYahoo!ニュース個人オーサーカンファレンスに関連し、色々模索している頃に行ったYouTubeの話とか。今をときめく「ユーチューバー」の起源が少しだけ明らかにされる。100円と表示されてるけど、全部無料で読めます。面白かった人だけ払ってねという、深夜の駅前でギター弾いてる兄ちゃん方式。


Amazon.co.jp

ここが無かったら、正直ネットで生きていこうと思わなかっただろうというくらいです。このリンク経由で買い物すると、私にお金が入る仕組み。

※追記:イケハヤ指数あたりの説明があまりに不十分過ぎたし、脱字も多かったので加筆しました。(4/26 04:00)

2014年6月4日水曜日

産経新聞が自社サイトに買春ガイド掲載→黙って削除、をやらかしたようです

Twitterである記事が悪い意味で話題になっているものの、どこも取り上げる所が無いようなので、せめて私の方で記録を残したいと思います。

産経新聞の2014年W杯特集内の各国代表ニュースにこんな記事がありました。

世界中から多くの観光客が集まるワールドカップ(W杯)。さまざまな経済波及効果を生むが、裏の社会にとっても“稼ぎ時”という。多くの専門家が「W杯期間中、ブラジルでの観光客目当ての売春が急増する」との見方を示している。というのも、ブラジルでは18歳以上であれば、売春は合法だからだ。普段でも海外から売春ツアーにやってくる観光客も多い。W杯ともなれば、一気に活気づく恐れもある。観光客を目当てにするため、多くの売春婦が英会話を学んでいるとの報道まであった。


ブラジルW杯を前にした、ブラジルにおける少女売買春の問題を提起している記事……と一見思わせます。

ところがこの記事、書き手の”視点”が明らかにおかしい。さすがに産経新聞も問題アリと判断したのか、問題の箇所は現在は削除されていますが、本来の記事はどんな内容だったのか、過去のWeb情報をアーカイブしている Internet Archiveで見てみましょう。

ただ、問題なのは、ブラジルでは今、18歳未満の少女による児童買春が横行していることだ。売春に走る少女の多くは貧しく、料金も格安だ。


前段は良いとしても、「格安」という表現は、明らかに買い手から見た表現です。もっとも、この程度なら表現の問題で済むかもしれません。ですが、まだ問題は続きます。

 これらの少女と接触するのは意外なほどたやすいという。タクシーの運転手やホテルの従業員らが斡旋するケースが多いが、繁華街ではミニスカートやビキニなど、セクシーな服装に身を包んだ少女自らが声をかけてくるという。ここで使われる「セックス」を意味する隠語が「(引用者削除)」。「ハロー。どう? (引用者削除)」といった具合。体面上、18歳と名乗ってはいても、実際は12~13際という少女も多い。



売春の手口まで具体的に載せるのはさすがにどうかと思います。私もそのまま引用するのは拙いと思い、隠語の部分は削りました。いくら夕刊フジがグループにあるからといって、こういう記事を産経新聞の名前で出すのはどうなんでしょうか。

ですが、実態を伝えるために具体的な手口も記事にした、と抗弁する事も出来るかもしれません。ならなんで産経は削除したんだ、という問題が残りますが。

ところが、最後の締めが色々と決定的でした。

とはいえ、そんなブラジルでも児童虐待は重罪だ。ガードを緩めていると、手痛い目にあうかもしれない。(普)



明らかに書き手の記者の立ち位置が、買春側であると白状してしまっております。天下の産経新聞記者が、署名入りで児童買春側の視点から買春ガイド記事を書くのもどうかしてますが、この記事にOK出してしまった上の感性にも色々と問題がありそうです。

さすがに問題ありと感じたのか、6月4日3時現在、記事中から売春手口の部分や最後の「手痛い目」は無くなり、「少女買春に警察が目を光らせるが……」的な抑えめの記事になっております。ところが、記事の訂正を行った旨の記載はありません。産経は先日も「STAP細胞の再現に成功した」という誤報記事を黙って削除しており、2chまとめサイト並のモラルの無さを全国紙の身でやらかしちゃってます。ネット時代の今、黙って消したところで、ログは残って悪評ばかり増えるのに、こういう対応はどうなんでしょうね。

新聞社もガードを緩めていると、手痛い目にあうかもしれない。(ど)