2009年1月18日日曜日

メモ:軽装甲車両の防護基準



 プロフィール欄にも書いてはおりますが、このブログにはミリタリー関連の資料置場としての機能があります。


 もっとも、映像資料はそれなりに貯まりましたが(ニコニコ動画のサービスに丸投げとはいえ)、軍関係の理解に役に立ちそうな資料はあんまないということに最近気が付きました。そういう訳で、自分の勉強も兼ねてメモとして資料を掲載していきたいと思います。





軽装甲車両の防護基準


 今回は軽装甲車両の防護基準について、NATOが策定しましたNATO統一規格(STANAG)第4569号に定められた軽装甲車両又は支援車両が備えるべき抗堪性の基準を挙げてみます。


 まず、下の表が小銃弾等・155mm榴弾破片に対する抗堪性の基準です。各レベルで車体全周に対して90%以上抗堪することで基準を満たすとされています。


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 次は地雷等に対する抗堪性の基準です。レベル2以降は対戦車地雷を想定していますが、想定されている地雷は爆風効果型であり、成型炸薬(HEAT)型の対戦車地雷は従来の装甲技術では抗堪が困難であるため対象外となっております。


f:id:dragoner:20090117223540p:image








 ここで以前アップした82式指揮通信車の耐弾試験の動画を見てみましょう。



D


 この動画を見る限りでは、82式指揮通信車は最低でも7.62mmNATO普通弾と対人地雷に抗堪していることが分かります。12.7×99mm普通弾(推定)による試験が行われている様子を映した動画もありますので、それを加味すると82式指揮通信車の小銃弾等に対する防護レベルは、NATOの基準ではレベル3から4ほどは最低でもあると推定されます。(155mm榴弾は不明な点もありますが)


 一方、地雷等に対しては最低でもレベル1にあると推定されます。もっとも、基本的には路面を走る装輪装甲車ですからこの程度で良い、若しくは装輪車両の限界なのではないかと推測されます。





参考文献


陸戦研究海外部会「海外情報(533) 軽装甲車両の防護力基準等について」陸戦研究 2007年12月号





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