2013年4月10日水曜日

10式戦車の試作車と量産車の違い、及び装甲カバーの中身について(前編)

さて、先週は10式戦車の装甲についてgdgdと書いてみた訳ですが、たまたま日曜日の駒門駐屯地創立記念行事で、先週書いたことを補強する材料を色々と発見できました。
今回は発見した事と併せて、10式戦車の試作車と量産車の違いについて考え、そして装甲カバーの中はどうなってるのかについて見ていきましょう。



車体前面下部カメラの有無


 試作車と量産車の違いについてですが、実は量産車を近くでマジマジと眺めたのは先日の駒門が初めてでした。総火演は混むし、去年の駒門も雨だったので「10式戦車? もう腐るほど見たからいーや」と早々に帰っていたせいなんですが、じっくり見ると細かい違いがたくさんあって、自分の迂闊さを呪いますね。

では写真で較べてみましょう。まず、車体前面下部にカメラが追加されていました。



【写真1】10式戦車 試作2号車


【写真2】10式戦車 量産6号車

量産6号車の車体前面下部にガラス面があり、内部にカメラが設置されているのが分かります(桜マークの下です)。操縦手用の前方下部確認用カメラと見られ、試作2号車では確認できなかったものですが、これが量産車に追加された仕様なのか、単に試作車の装甲カバーが見えないだけだったのかは不明です。

また、これらの写真から試作車・量産車共に、車体の上に金属製カバーをボルト留めして車体表面を隠している事が分かります。ライトの部分も網がかかってよく見えない徹底ぶりです。90式の車体前面は下の写真の様にスッキリしているのに、10式に至ってはボルトだらけです。



【写真3】90式戦車車体前面



光学系装置の配置


前方下部カメラの他に、正面から目に付く点として、光学系の配置が異なります。
下の量産車の写真で、砲身右の機関銃孔上には特に光学系はありません。


 【写真4】10式戦車(量産車)


 が、試作車両にはかなり大きいレンズが見えます。砲身の軸線に近いところに配置され、向きは固定されているので照準関連の装置と推測されます。





【写真5】10式戦車(試作車)
じゃあ、この無くなったのがどこ行ったかというと、


【写真6】 10式戦車、試作/量産車砲盾部比較

 上の比較写真のように、砲盾部の前面に移動したものと考えられます。

 次回は装甲カバーの違いと、その役割について。多分、解説動画も一緒にやります(・ω・)ノシ

2 件のコメント:

  1. >照準関連の装置
    砲口照合装置(MRS)のレーザ送受信光学系です。
    砲身先端のミラーに反射させ砲身の曲がりを検知する装置です。
    90式戦車は砲手用照準潜望鏡に内蔵してあります。

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  2. お兄軍曹さま
    いつも書き込みありがとうございます。
    砲口照合装置なんですね。試作車両と量産車で砲側ミラーの取り付け位置が逆だったので、恐らくはそうかなと思っていたのですが、ようやっと確信が持てました。

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