2016年10月2日日曜日

長谷川豊が勇んで突っ込んだ地雷原

お久しぶりです、dragonerです。ブロガー名乗っているのに、今年はほとんど記事書いてません。ここまで書いてない期間が長いと、8月に出させて頂いた新書はブログ記事30本分の分量があるので許してください、というネタも使えなくなりつつあります。


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リハビリに何か書こうと思っていた所、世間では長谷川豊の「殺せ!」が話題になっていました。この人、前から明らかに逆張り野郎で主張には同意できんし、「映画吹き替えはタレントじゃなくて声優使え!」みたいな数少ない同意できる主張でさえ、こいつは表に出してはいけないヤツや、とスルーしてきましたが、一躍時の人となっています。そういうわけで、遠慮なく長谷川豊について書ける環境になったようですので、ここで長谷川豊問題について書いてみたいと思います。

さて、ここでは長谷川豊の発言について、その倫理的な問題、嘘や誇張・誤りなどの事実関係の問題については触れません。そういうのは既に多くの組織、メディアや個人が行っていることで、今更私ごときがやる必然性はないからです。

じゃあ、ここではなにを書くかというと、長谷川豊が喧嘩を売った相手は誰で、どのくらいいるのか? という点について、ざっくり考えたいと思います。つまり、長谷川豊はどれだけの人を敵に回したのか、ということです。


読売テレビに喧嘩を売る

長谷川豊を電話一本でレギュラー番組から降板させた読売テレビは、結構意味深なコメントを残しています。朝日新聞が伝えていますので、以下に引用します。

読売テレビ総合広報部は「長谷川氏のブログ、およびその後の患者団体による抗議への長谷川氏の対応などから総合的に判断した」と説明した。


読売テレビが言うには、ブログ記事だけではなく、その後の患者団体の抗議と、長谷川豊の対応についても考慮した上で判断したとのことです。ここ、結構ポイントじゃないかと思います。

最初に問題となった9月19日のブログ記事「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」で、長谷川豊が「殺せ」と言ったのは、「自業自得の人工透析患者」でした。文面からすれば、2型糖尿病由来の慢性腎不全患者の事を指すのかと思いきや、それ以外の透析患者にも鉾を向け、「実際に人工透析を受けている患者さんの8~9割が自業自得」とまで言っています。

ちなみに、全透析患者のうち、糖尿病由来の透析患者は4割台で、半数以上はそれ以外の原因です。長谷川豊の恐ろしいところは、これを知っていて書いたこと。つまり、彼は「自らの意思で敵を倍増させた」か、あるいは「敵を倍増させる事を言っていると自分で理解していなかった」のどちらかであって、どちらであっても正気の沙汰でありません。

これに対し、患者団体の全腎協(全国腎臓病協議会)から抗議が来るわけですが、これに対して長谷川豊が取った言動は、「おマヌケ」、「どんな読解力をされているのですか?」、「利権集団」、「とっとと解散すべきだ」、「脅迫集団」と、全腎協そのものに対しても全力で喧嘩売ってはります。糖尿病由来慢性腎不全の透析患者に加え、全透析患者、さらには全腎臓病患者に攻撃対象を拡大したわけです。

このようにして、自身の炎上にガソリンを特盛り追加した長谷川豊大先生ですが、ここで読売テレビの話に戻しましょう。

長谷川豊の対応を見た読売テレビは、無慈悲な降板を告げます。なお、80年代から90年代前半のテレビ黄金期によみうりテレビ(現・読売テレビ)社長を務めた青山行雄名誉会長は、2002年に急性腎不全により亡くなられております。現在の読売テレビの幹部にも、青山名誉会長の部下が大勢残っているでしょうに、思いっきし虎の尾を踏んでますね。このように、全腎臓病患者にまで攻撃を拡大したことにより、読売テレビからグーパン食らったのではないでしょうか。見事なまでの野放図な戦線拡大による失敗です。


日本人の八分の一とその家族に喧嘩を売る

さて、長谷川豊のブログを読むと、どうやら長谷川豊は腎不全の問題を、日本人のうちのごく一部の問題と捉えているようです。だからここまで尊大で横柄な態度を示せるわけです。

ところがどっこい。例えば全腎協は、日本最大の患者会であることを謳っています。それだけ患者が多い病気ということで、家族を含めれば相当な数になる証だし、患者相互の連帯意識も高い組織なわけです。

そして、現在問題になっている腎臓の病として、慢性腎臓病(CKD)があります。慢性的に進行する腎臓病ですが、その患者は日本国内で1330万人いると推測されています。全成人の八分の一に相当します。これを読んでいる貴方もそうである可能性が高いし、私もそうかもしれない。将来CKDから、透析が必要になるまで悪化する人も当然いる。家族も含めれば数千万人の日本人に対して、長谷川豊は喧嘩を売ったのです。自ら進んで地雷原に突っ込んでいく様は、長く語り継がれることでしょう。

さて、自分がレギュラー出演していたテレビ局を敵に回し、さらには日本中を敵に回した長谷川豊ですが、味方してくれるのはブラックマヨネーズ吉田とか、全く頼りになりそうにない人しかいないみたいです。ここはもう日本での活動は諦めて、「麻薬中毒者は自業自得」とフィリピンのドゥテルテ大統領の報道官への転職というキャリアを考えた方が良さそうです。

まあ、「自業自得」だし、仕方ないよね!(完)

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