2013年10月17日木曜日

武器輸出問題は完成品の輸出より、今も行われている汎用品に目を向けた方がいいんじゃね?

先日、こんなニュースがありました。

川崎重工業が製造する海上自衛隊艦船用エンジン部品を、英海軍艦船向けに提供することを日本政府が認めたことが分かった。政府関係者が14日、明らかにした。同部品は民生用としても広く使用されていることから、政府は紛争当事国やその恐れのある国への兵器売却を禁じた武器輸出三原則には抵触しないと判断した。



政府判断により、英国海軍に川崎重工が製造するエンジン部品を供給を、武器輸出三原則に抵触しないとして許可したという報道です。その判断の鍵となったのが、当該の部品が民生用としても広く使われている部品であることでした。

ここで、武器輸出三原則とは何かを整理してみましょう。

武器輸出三原則は1967年に佐藤栄作首相が表明したもので、次の3点の場合に武器輸出は認められないとした規定のことです。

  1. 共産圏諸国向けの場合
  2. 国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合
  3. 国際紛争当事国又はそのおそれのある国向けの場合

この3条件を厳格に適用した場合でも、かなりの国(西側諸国はほぼOK)への武器輸出が可能と解釈できますが、1976年に三木武夫首相が三原則について追加で以下の政府方針を表明しています。

  • 三原則対象地域については、「武器」の輸出を認めない。
  • 三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。
  • 武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。

現在言われている「武器輸出三原則」は佐藤首相が示した原則より、三木首相が示した方針の方に沿った運用が今もなされており、経済産業大臣の許可を必要とする事で、いくつかの例外(米国向け技術供与、ミサイル防衛等)を除いて武器輸出は行われてきませんでした。

最近は武器輸出三原則を巡って、国際共同開発への参画や航空宇宙産業の振興などの観点から、三原則を緩和しようという動きが出ています。2011年の野田内閣で三原則の一部が緩和され、武器の国際共同開発に道が開かれました。これにより、航空自衛隊の次期戦闘機に内定しているF-35の部品製造に日本企業が参加するため、F-35の部品輸出を三原則の例外にする事や、海上自衛隊の救難飛行艇US-2のインド向け輸出の検討、航空自衛隊のC-2輸送機の民間型輸出などの構想が浮上しています。


民間型のインドへの輸出が検討されている、海上自衛隊の救難飛行艇US-2

しかし、武器輸出の問題は、政府によるコントロールがしやすい上記のような完成品よりも、コントロールが難しい製品にあると言えます。例えば、武器とそうでないものの区別が難しい輸出品がそれです。自動車がその代表で、チャド内戦は政府軍と反政府軍双方がトヨタ製ピックアップトラックに武装を施して戦闘をしている様子が報道されたために「トヨタ戦争」と呼ばれていましたし、アルカイダの指導者だったウサマ・ビン・ラディンはランドクルーザーで移動し、それを捜索する側の米軍もハイラックスの北米仕様であるトヨタ・タコマを使っていました。これらの乗用車やトラックは、軍用と民間用に差がほぼ無く、現在も世界各国で日本製自動車が軍用として使われています。紛争地への小型武器輸出が国際的な問題になっていますが、しばしば紛争地で主力兵器として日本製車両が使われている事実は、あまり好ましいことではありません。




このように、元々武器との区別が曖昧だった製品もある中、近年はさらに問題が複雑化しています。それは、武器開発分野において、標準化・汎用化された民生の汎用品を用いてコスト低減を行う、COTS(Commercial Off The Shelf:商用オフザシェルフ)と呼ばれる開発手法が広まったことです。従来、武器開発では信頼性等の問題から専用部品が多く使われていたのですが、武器開発へのCOTSの普及により、全く武器を連想させないような民生品でも、武器部品として使われる恐れが出て来ました。これに絡んで、先日はこんな報道もありました。

トルコが中国の「紅旗9型(HQ-9)」長距離地対空ミサイル(輸出型FD2000)の購入を決定したというニュースに世界中が注目する中、ネット上でその画像を見た海外のネットユーザーから「HQ-9には、日本製のAZ8112型リミットスイッチが採用されている」との指摘が上がっている。29日付で環球網が伝えた。
出典:中国の「HQ-9」ミサイルに日本製の電子部品、海外ユーザーが指摘―中国メディア

中国製の地対空ミサイルに日本製の電子部品が使われていたという、中国メディアの報道です。ロケット・ミサイルにも使われる部品のうち、経済産業省が定める仕様にあるものは輸出貿易管理令で大臣の許可が必要になりますが、汎用品である場合はそれに引っかからない物も多くあると考えられます。しかし、武器輸出三原則に照らしても、共産圏諸国の中国(今もそうかは議論があるでしょうが)で日本製品が武器部品として使われる事態は、好ましくないものです。

ここで問題になったリミットスイッチを含め、スイッチ・センサーはあらゆる機械製品に使われている部品であると同時に、日本メーカーはこの分野で大きな市場シェアを持っています。他にも、日本メーカーが大きなシェアを持つ半導体や無線通信、光学機器、発動機、バッテリーといった分野の製品が、海外で武器の部品として使われている可能性がありますが、それらの汎用品の武器転用を規制するのは実際には困難でしょう。汎用品とは、言い換えれば何にでも使える部品なのですから、武器開発で汎用品が使われるようになった以上、武器転用される事は避けられません。

では、このような日本製品や汎用品が、紛争地や軍事的緊張下にある国で武器に転用される恐れに対し、日本はどのように臨めば良いのでしょうか。民生品や汎用品として輸出される以上、その武器転用を規制するのは困難です。武器転用する恐れのあるユーザーへの販売に制限をかけるような、従来からの武器輸出規制のスキームをより洗練させる方式にはおのずと限界があります。

むしろ、単純に規制で出口を絞るのではなく、日本製部品の武器転用の事実を把握したなら、その使用者を日本のコントロール下に置くようなアプローチが必要になってくるかもしれません。例えば、継続的メンテナンスが必要となる消耗部品が武器転用されていた場合、その部品の流通をコントロールすることで武器の稼働率に影響を与えられます。また、使われている部品が判明することで、武器の性能や生産数を推測する手がかりになります。使われている部品一つで、武器をコントロール下に置くことが可能になり、武器転用したのが日本と軍事的に緊張関係にある国であった場合、日本の防衛にとっても大きなメリットとなります。そういった事から、これからは輸出規制に加え、輸出された製品の監視・追跡を行い、最終製品が何であるかを把握するトレーサビリティーシステムの構築が、より重要になってくるのではないでしょうか。


【関連書籍】

2013年10月13日日曜日

防衛技術シンポジウム2013のプログラムにRWS


防衛技術シンポジウム2013のプログラムが公開されましたが、リモートウェポンシステム(RWS)の写真がちらりと載ってます。どうやら、シンポジウムに実物展示される臭いですね。

12.7mmM2重機関銃に、可視・赤外の2種センサー搭載のように見えますが、どうなんでしょう。

2013年10月11日金曜日

化学兵器禁止機関のノーベル平和賞受賞と、ノルウェーの戦略

2013年のノーベル平和賞は、化学兵器禁止機関(OPCW)に授与されることが、ノーベル賞委員会から発表されました。

(CNN) ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、2013年のノーベル平和賞を化学兵器禁止機関(OPCW、本部オランダ・ハーグ)に贈ると発表した。 化学兵器の除去に長年努めてきた活動が評価された。 OPCWは現在、シリアが保持する化学兵器の検証や廃棄に当たっている。1日には査察団がシリア入りし、ミサイルの弾頭や空爆で使用する爆弾、化学薬品の充てん装置など、化学兵器の廃棄を監督している。


ところが、この選考に対してロシアから異議が上がっています。

化学兵器禁止機関がノーベル平和賞を受賞したことに、ロシアのコブゾン下院議員は厳しい意見。インタファクス通信の取材に、「化学兵器禁止条約という仕組みを利用することを思いつき、アサド政権を説得して加盟させたのはプーチン氏だ。思いついた人がもらえず、仕組みが受賞した」と批判しています。


内戦が続くシリアでの化学兵器使用情報を受け、アメリカ・フランスによるシリアへの軍事介入が迫っていた9月9日、シリアの化学兵器を国際管理の下に移し、化学兵器禁止条約(CWC)に加盟させることをロシアのラブロフ外相が提案し、シリアが提案に合意しました。この合意により、シリアへの軍事介入は回避され、シリア国内での化学兵器問題も解決への道筋が開かれます。

このシリア問題の好転は、ロシア政府による提案・説得によって成し遂げられたのは事実で、化学兵器管理の実行組織に過ぎないOPCWが受賞するのはおかしいというロシアの不満も当然の事に思えます。しかしながら、チェチェン紛争やグルジア紛争に関わったプーチン大統領らロシア高官にノーベル平和賞を授与する事は相当の批判が予想され、ノルウェー・ノーベル委員会としては避けたかった事でしょう。そういう意味で、ロシアへの授与を回避するためにOPCWへ、という判断があったとしても不思議ではありません。


ノルウェー・ノーベル委員を任命するノルウェー議会議事堂(Wikipediaより)

ノーベル賞6分野のうち、唯一選考がノルウェー・ノーベル委員会によって行われる平和賞は、政治色が強いと言われています。その選考も、平和賞以外はスウェーデンの学術機関により選考されるのに対し、平和賞はノルウェー国会からの任命を受けたノルウェー・ノーベル委員会が行います。なお、現在のノルウェー・ノーベル委員会の委員5名は、いずれも国会議員・または閣僚経験者です。ノルウェーの政治的思惑が働くのは、ある意味で必然とも言えます。

しかし、過去のノーベル平和賞の選考でも、様々な批判や物議を醸しています。記憶に新しいのは、2010年の中国の人権活動家の劉暁波への授与で、中国とノルウェー間の外交問題にまで発展しました。他にもオバマ米大統領、ジミー・カーター元米大統領、ヘンリー・キッシンジャー米大統領補佐官、PLOのアラファト議長らへの授与も問題視されています。特にキッシンジャーとアラファト議長への授与は、いずれも受賞後に紛争が再開しており、平和賞に泥を塗る形になってしまいました。しかしながら、このような問題化する恐れがあることが分かっている選考を行う事は、逆説的に言えば、ノルウェー・ノーベル委員会は、政治的・外交的批判を恐れて選考しているのではないと言えます。

それでは、なぜノルウェー・ノーベル委員会は物議を醸す選考を行うのでしょうか。この理由として、選考により受賞者の理念や平和運動を後押ししよう、という意図が働いていると見る向きがあります。

例えば、2009年のオバマ大統領の受賞は核軍縮への取り組みを理由にしていましたが、就任1年目の受賞であり、実績も無いのに時期尚早ではないかとの批判がありました。しかしこれは、オバマ大統領に平和賞を与える事で、核軍縮の潮流を後押しする狙いがあったとされています。

他にも、1997年の地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)の受賞は10月に発表されましたが、発表後の12月にICBL最大の成果である対人地雷禁止条約(オタワ条約)が署名されました。オタワ条約は大国の署名が得られず、その実効性が疑問視されていましたが、ICBLの平和賞受賞により大きな注目を集め、現在は150ヶ国以上が署名しています。

結果的に失敗に終わったキッシンジャーやアラファトへの授与についても同様に、ギリギリで成立した危うい和平プロセスを、永続的に続けるための圧力としての意図があると言えます。そういう意味で、今の不透明なシリア情勢において、確実に化学兵器廃棄プロセスが働くように、実行機関であるOPCWに受賞を与えたとも考えられます。

軍事アナリストの小泉悠氏は、シリアが化学兵器廃棄を履行するか、また、実際の破棄プロセスが上手く回るかは以前不透明であり、依然としてアメリカ・フランスはシリアにCWCを履行させる為の軍事オプションも排除していない事から、シリアの化学兵器問題は大きな国際問題であり続けているとしています。(詳細は小泉悠氏の「シリアの化学兵器問題:CWCは「魔法の杖」にあらず」参照)つまり、シリアの化学兵器問題はスタートラインを切ったばかりであり、「これから」の問題なのです。

ノーベル平和賞はノルウェー・ノーベル委員会、ひいてはノルウェー議会にとり、国際平和へのインパクトを与える強力な「武器」となっています。持たざる国であるノルウェーにとって、国際平和への関与で存在感を出す為の最強の手段だと言えるでしょう。

OPCWのノーベル平和賞受賞により、今後のシリアでの化学兵器廃棄プロセスにも注目が集まると思います。OPCWはノーベル平和賞の威光を受けて、無事に化学兵器廃棄を成し遂げる事ができるでしょうか。ノルウェー・ノーベル委員会の判断が、良い方向に働くことを願っております。

2013年10月10日木曜日

機動戦闘車のファーストインプレッション

さて、昨日発表された機動戦闘車ですが、基本スペックから実際の動作、さらには自分でペタペタ触って色々と確認することができましたので、ちょっとまとめてみたいと思います。

外観


機動戦闘車の外観について。最初は写真の撮り方考なんで、軍事的なものは薄いですよ。

この写真、原寸大表示可能ですんで、細部見たい方はクリックしてください。但し、ディテールが分かる様に影になって潰れていた部分を部分補正で見えるようにしてあるので、そこいらはノイズ多め。あと、補正の仕事は雑です。

まず、上の写真。斜め前からのカットが一番キマって映る。ただし、かなり鋭角の斜め。


イタリアのチェンタウロのWikiからデータ引っ張ってくると、全長(砲身含む)は8.555mのチェンタウロに対し、機動戦闘車は8.45m。約10センチ機動戦闘車の全長は短いんだが、チェンタウロと較べて砲塔が非常に小さい。横から見ると、のっぺりした印象を与えてしまう。もちろん、車高が低い事は安定に寄与するので良い事だけど、横からの見栄えは良くないので、鋭角で前撮影した方が無難かも。

チェンタウロ3面図



右斜め後ろから。砲塔後部、車体後部共にハッチあり勘違いしてた。砲塔後部はどうみてもハッチじゃないや。車体の後部は人が入れないこともないけど、アクセス性から考えてメンテナンス用が主眼と推測。動画でもここから人は出てきていない。




で、外観から明らかになるのは、車体高の低さ。これにより、ファミリー化されたとしても、兵員輸送タイプが作られる可能性は低いんじゃないでしょうか。
発表会場では乗員4名以外に乗れない事を惜しむ声・ファミリー化を懸念する声がありましたが、先に装輪装甲車(改)が発表された以上、バッティングする兵員輸送タイプは機動戦闘車ベースでは無いと思われます。第一、これ内部容積きっついと思う。
近々開発されるであろう指揮通信車後継とかも、NBC偵察車ベースの方が向いていると思うし。


武装


105ミリライフル砲。この砲身に空いたマズルブレーキが特徴ですね。マルチポート式のマズルブレーキは、自衛隊では初めてでしょうか。ライフリングに沿って空けられています。よくよく見たら、砲身歪み検知用のミラーから根本まで、サーマルジャケットで覆われているようです。
90式戦車、10式戦車は自動装填装置を搭載していますが、機動戦闘車は手動装填です。重量・容積とトレードオフの結果だそうですが、105mm弾で120mmよりは軽いこと、バコスカ高速で撃つような性格の車両ではない事を考えると妥当と思います。砲塔がすごく小さいですしね。



12.7ミリ重機関銃座。銃自体はありませんが、この銃座、10式と同じみたいですね。銃座の写真だけ集めなきゃ…。


同軸機関銃は7.62mm74式車載機関銃。でも、そろそろ新型欲しい気も……。



センサ系




砲塔左に車長用パノラマサイト。10式のに似ているが、小さく感じる。10式の光学系はかなり高倍率(いずれ同人誌に書きます)のサイト搭載しているのですが、機動戦闘車は広角寄りなのか。配置は10式と逆で、10式は砲塔右後方にあったのに対し、機動戦闘車は砲塔左前方。
また10式にも見られたミサイル検知用と思しきセンサが砲塔左右正面にある。下で比較してみよう。

機動戦闘車 ミサイル検知器?

10式戦車 ミサイル検知器
同じセンサの様に見えるんだけど、実装方法が全然違う。10式がセンサを砲塔4隅の凸部分に設置しているのに対し、機動戦闘車で確認できたセンサは砲塔前面の2つ。しかも、凹んだ箇所に取り付けてあるんだけど、どういうことだろ、これ。数減らすのはコストカット等で説明付くにしても、センサが凹部分の底にあるのはなんでだろ。ただ、周りのパネルの形状見ても分かるように、試作車両だからか簡単に交換できるようになっているので、量産車でどうなるか不明。単純に、試作時は交換やりやすいからという理由なのかも。



砲塔右には砲手用の固定サイト。これも10式と逆配置で、より小さい気がする。砲手用サイトは、反射光の色から判別して、こちらから見て右にあるものが赤外線、左が可視光センサと思われる。


環境センサー。折りたたまれていたので、外観写真からは分かりづらかったかもしれませんが、10式と同じタレス製のセンサーです。型番も一緒でした。



防護力


車体側面を見ると、車体に防弾鋼板と思しき厚さごにょごにょくらいの板がボルトどめされています。追加装甲だと思われますが、ボルトどめや想定される鋼板の重量考えると、ほぼつけっぱなしになっていると思います。輸送条件に応じて、取り外しと言ったところかと推測。



そして砲塔周りの防護。これも10式と同様、砲塔本体に付加する装甲を付けていると考えられる。というか、砲塔本体と付加装甲の境界きっちり見えました。10式よりは付加装甲のスペースが薄い感じです。
それと、発煙弾発射機も砲塔側面に設置してあります。



足回り


言うまでもなく8輪のタイヤによる走行ですが、足回りがちらりと見えます。


プレートにピント合って無くてすみません(;´Д`)。ですが、ダイキン工業/三菱重工製の懸架ユニットです。ダイキンというと、油圧関連でしょうから、油気圧サスペンションでしょうか。反動抑制技術を考えると、10式戦車応用のアクティブ懸架の可能性が高いと思われます。



その他



砲塔上面なんですが、かなり念入りにすべり止めがなされています。あまり上面に登れた車両が無いのでなんとも言えんのですが……。


取り付けられているアンテナを確認するのを忘れていたのですが、恐らく10式と同じ東芝製JAT-S33。つまり、アンテナは10式並の通信をする能力が可能ということか。中に何を積むかは別として。

次は、今までの装甲車両にこんな装備あったっけ、ってなものを。


↑こいつです。砲塔後部の両側面についた収納スペースと思わしき専用空間。ある種のユーティリティースペースで偽装網などをここに入れたりするそうです。



中の人を見ると、偵察教導隊。機動戦闘車は新カテゴリの装備とはされていますが、87式偵察警戒車の後継装備としても考えられているのかもしれません。ユーザーとしては、普通科、機甲科も想定されているとのこと。

取り急ぎのファーストインプレッションはここまで。またなにか気づいたことあったら追加でお知らせします(・ω・)ノシ


2013年10月9日水曜日

機動戦闘車関連動画一覧

機動戦闘車の関連動画一覧です。


初お披露目の瞬間と、記者会見の様子。
ニコ動とYouTubeにあげておりますが、いつも通りYouTubeの方が高画質です。






防衛省公式の機動戦闘車PVです。
こちらはYouTubeに公式版が上がっていますが、アスペクト比がおかしいので、現場で配られていたプレス用DVDの映像を元に修正しました。
既に公式YouTube版を元に修正されている方がいらっしゃいますが、ソースがDVDなのでこっちの方が画質は良いかもだ。
※防衛省で正しいアスペクト比のHD画質動画が出ましたので、SD画質の私のPVの歴史的意義は数時間で終わりを告げたので消しました。



機動戦闘車、記者会見等でわかったことまとめ


ついに開発中の機動戦闘車の試作車が公開されました。
記者会見やその後の質疑応答等で分かったことを、とりあえずまとめてみました。



その他、質疑応答などで明らかになった点。

武装面

Q.74式戦車の砲弾が使えるとのことだが、減装弾ではなく、フル規格という理解で正しいか?
A.74式戦車の砲弾が発射可能。減装薬弾ではない。

Q:自動装填装置は取り付けられないのか?
A.装填は手動装填。重量・容積などのトレードオフで、自動装填装置はない。

Q.OTOメララを搭載すると当初は聞いていたが、なぜ国産砲になったのか?(dragoner注:そんな話あった?)
A.OTOメララを搭載するという話は承知していない。最初から国産。

Q.反動抑制に先進軽量砲で研究されていた電子制御駐退機などを使っているか?
A.従来技術のブラッシュアップによるもので、変わった技術は使っていない。

Q.試作(その2)での契約額上位が、光学機器・センシングメーカーが多い。これは、従来の装甲車両に比して、機動戦闘車では偵察・監視能力を重視しているのか?
A.試作(その2)では、センサ関連の構成要素技術の試験をやったため、光学機器・センシングメーカーの契約額が大きい。

Q.なぜタイヤがミシュランなのか?
A.開発開始時で採用可能なのはミシュランしかなかった。装備化の際は国産も可能になると検討しているが、細部は検討中。

運用面

Q.機動戦闘車は新しいカテゴリに属する装備なのか、あるいは何かの後継なのか?
A.新しいカテゴリの装備と考えている。

Q.輸送面以外で、統合運用を考慮した点はあるか?
A. 運用に関わる面なので、細部についてはお答えできない。

Q.政策評価書で当初機甲科での運用とされていたが、後の政策評価書では「戦闘部隊」に変わっていた。実際の部隊運用はどこになるのか。
A.その時その時の検討によって変わっていた。 戦闘部隊というのは、普通科・機甲科・偵察と理解していて、実際どこに入るかは検討していると承知している。

Q.横幅が2.5mの道交法制限を超えているが、今後の装輪装甲車では道交法を考慮しないのか?
A.大口径火砲を搭載し、安定性確保のために車幅を決めた。今後の開発でどうするかは検討していない。











機動戦闘車試作車公開!

防衛省技術研究本部で開発が進められている、陸上自衛隊向けの新型戦闘車両「機動戦闘車」の試作車が、神奈川県相模原市の防衛省技術研究本部陸上装備研究所で初めて報道陣に公開されました。


機動戦闘車はクローラー(キャタピラ)ではなく、タイヤで走行する装輪装甲車と呼ばれるタイプの装甲車で、路上での高い機動性を持ち、戦車に迫る105ミリライフル砲を搭載し高い火力を持つことが特徴です。輸送性も配慮されており、航空自衛隊で配備が始まっているC-2輸送機で空輸可能。また、現在艤装中のいずも型護衛艦にもランプ(車両用スロープ)を利用して、自走して艦内に搭載可能です。



現在、防衛省・自衛隊では、部隊を迅速に展開する機動展開能力向上を目指しています。大幅な防衛費増額が望めない財政事情の中では、今ある部隊を有効に活用する事が防衛力向上の鍵となります。部隊の機動展開能力を高め、必要な場所に必要な時に、必要な戦力を投入する体制を築くには、陸海空の自衛隊の密接な協働と、円滑な輸送・機動を可能にするシステムを構築する事が重要です。そのためのシステムの構成要素として、機動戦闘車は開発されたと考えられます。



軽量な割に高い火力の機動戦闘車は、戦車が投入されるまでの繋ぎとして、あるいは戦車の投入・輸送が出来ない地域においては限定的に戦車の様な運用がされると考えられます。現在、中国は軽量戦闘車両の開発に力を入れており、03式空挺歩兵戦闘車、05式水陸両用戦車、09式装輪歩兵戦闘車といった、多彩な車両を開発していますが、特に09式装輪歩兵戦闘車は装輪式で大口径砲を搭載する型もあり、機動戦闘車に近い性格を持つ装備です。

中国軍の09式装輪歩兵戦闘車
昨今、島嶼部を巡る問題が盛んに報道されていますが、仮に島嶼部で武力衝突が発生した場合、展開能力に優れた戦闘車両が双方で先陣を切ると考えられます。防衛省の運用構想図でも島嶼部での戦闘が強調されており、こちらも展開力に優れた機動戦闘車が真っ先に派遣されると考えられますので、同じ様な戦闘車両同士で戦闘が発生する事になるでしょう。



さらには都市部での対ゲリラ・特殊部隊との戦闘も考慮されています。都市部では普通科部隊(歩兵部隊)との協働が重要で、建物を制圧する隊員を屋外から支援する能力が求められます。また、都市部での戦闘で従来有効だと考えられていた小中口径の機関砲による攻撃が、弾の貫通力が高いために意図しない場所に被害を及ぼしてしまう例がイラク戦争で報告されている反面、大口径砲の砲弾は大きな爆発こそしますが、貫通力の低い破片は屋内に留まる事が多いため、意図しない場所への付帯被害を防ぐのに向いているとされています。



機動戦闘車の総開発経費は173億円と見積もられており、実車試験を経て、平成27年度に開発が完了の予定です。部隊配備はもうちょっと先になりますね。

意味深














【速報版のため、随時更新します】